■人が行動を繰り返す仕組み
三日坊主になる行動と、自然と習慣になる行動。その違いは何でしょう?
前回、行動科学マネジメント®が活用する人間の行動原理について触れました。
「行動の結果がメリットのあるものであれば、人はその行動を繰り返す」
「(逆に)行動の結果にメリットがない、あるいはデメリットがあるならば、人はその行動を繰り返さない」
「そして、行動の結果に〝意図的に〟メリットを与える =『動機付け』(ごほうび)をすることで望ましい行動を促す」
今回はこの「人が行動を繰り返す仕組み」についてさらに詳しく見ていきましょう。
どんな時代であっても、またどんな相手に対してでもこの行動の仕組みが変わることはありません。それが行動科学マネジメント®が同じような効果を得られる再現性を持つ所以なのです。
「人が行動を繰り返す仕組み」行動科学マネジメントではそれを「ABCモデル」という概念でまとめています。
この仕組みを理解すると、部下の行動だけでなく、自分自身の行動も説明できるようになります。
■「ABCモデル」は行動科学マネジメント®の根幹
【A】(Antecedent) 先行条件
「なぜその行動を始めるのか」というきっかけ
↓
【B】(Behavior) 行動
実際に行ったこと
↓
【C】(Consequence )結果
その行動の直後に得られる結果
それぞれの頭文字を取って「ABCモデル」。
人が行動を起こすには、行動のための「条件」、つまり「なぜ行動を起こすのか」という理由があります(A)。
その条件を満たすために「行動」を起こします(B)。
行動の後には「結果」が生まれ(C)、その「結果」がまた次の行動を促す(あるいは促さない)わけです。
この一連の流れは、行動科学マネジメント®のさまざまなノウハウの根幹となるものですのでぜひ覚えておいてください。
■繰り返す行動、繰り返さない行動
唐突な例ですが、「コンビニで買い物をしたけれど急いでいるから早くレジで支払いを済ませたい」といった場面を想像してみてください。
「急いでいる」という状態が先行条件(A)にあたります。この条件によって、たとえば「(現金ではなく)電子マネーで支払う」という行動(B)を起こしたとしましょう。そしてその結果が問題となります。
電子マネーでピッとタッチしたら、瞬時に支払い完了…。
そんなメリットのある結果(C)があるから、あなたは今後も急ぎの際には迷わず電子マネーでの支払いという行動を選択し続ける(繰り返す)はずです。
しかし、たとえば電子マネーの支払いにわざわざパスワードを入力しなければならなかったり、レジの端末が接触不良でなかなか支払えなかったりでモタモタしてしまうという結果(C)だったら…。
電子マネーで支払うという行動(B)は繰り返さず、別の支払い方法(行動)を選択するはずです。
つまり人は、行動した結果、「自分にとって望ましい結果(メリット)が得られたかどうか」によって、その行動を繰り返すかどうかを決めているのです。
一見当たり前の事象のように思われるでしょうが、実はこの「行動の仕組み」が、職場でのマネジメントにおいて極めて大きな影響を及ぼすのです。
「なぜ注意すると、かえって同じミスを繰り返すのか。」
「なぜ褒めても行動が変わらないことがあるのか。」
次回は、職場で実際によくあるABCモデルを使って見ていきます。






