こんにちは、石田淳です。
■「心理学」に基づいたマネジメント手法
これから多くの仲間と一緒に行動科学マネジメント®を学習、実践していくにあたり、まずは行動科学マネジメント®の成り立ちについてあらためて押さえておくことにしましょう。
そもそも行動科学マネジメント®は、アメリカの心理学者B・F・スキナーが唱えた「行動分析学」に基づいたマネジメント手法がベースとなっています。
行動分析学は心理学の一種であり、「行動を基準にして物事を見る」という、他の心理学にはない特質を持っています。
つまり、フォーカスするのは「人の行動」のみ。
「人はなぜ今あるような方法で行動するのか」
「人はどのようにして、習慣を身に付けるのか」
「人はどのようにして習慣を失うのか」
そうしたことが、行動分析学のテーマといえます。
そして、
「今現在の行動をしているのはなぜか」
「それを変容させるにはどうすればいいか」
の答えを導き出すわけです。
もちろん、答えを導き出すためには数々の実験や検証、さらなる研究が重ねられます。こうした長年の研究のうえで確立したのが私たちが提唱し、あなたと一緒に推し進めようとしているマネジメントの基となる「科学」です。
■科学とは「再現性」を持つもの
数々の実験結果の研究をもとにした「科学」である以上、そこには絶対的な「再現性」が求められます。ある時はこんな結果が、またある時は違う結果が、ということでは、科学として成立しないわけです。
こうした「いつ」「誰が」「どこでやっても」同じ成果が得られるという再現性を最重視して、ビジネスの現場にマネジメントスキル」として落とし込まれたのが、本国アメリカで、企業のみならず官公庁や各種団体、教育機関等が導入(その総数は官民あわせて600以上)という、行動分析学ベースのマネジメントです。
かつて、日本のビジネス界におけるマネジメントは、この「再現性」の追求とは真逆の方向性にあったでしょう。
極端にいえば、「誰がやっても同じ」は〝良いこと〟とは捉えられなかったのです。「他のヤツにはできない。優秀な自分だからできるんだ」マネジメントにおいてもリーダー、マネジャーはこうした価値観を求めていたことでしょう。
その「できること」の材料となるのは、経験や勘、度胸といった抽象的な概念です。多くのリーダー、マネジャーは体系的にマネジメントスキルの理論を学ぶことなく、言ってみれば〝己の信念〟に基づいて部下を指導してきました。
■古いやり方の悲劇
この方法が生んだ悲劇(?)は、あなたにも想像できるでしょう。そう、「自分の信念(に基づいたやり方)」に合わない相手はすなわち〝できない人材〟とされてしまうのです。
リーダー、マネジャーが大事にするものはマネジメントスキルや人間心理についての理論ではなく、信念やものの考え方、仕事への向き合い方。
部下の側からすれば、上司がどんな信念の持ち主かで自身のビジネスでの成果、評価が決まってしまうのです。これは上司・部下双方にとって大きな悲劇。「どんな相手に当たるか」ですべてが決まるという悲劇です。
「どんな相手に対しても、同じ成果を与えられる」
行動科学マネジメント®が求めるのは、そうしたゴールです。
とはいえ、日本のビジネス界、マネジメントに「信念」などの〝目に見えない要素〟が大きく関わっているという事実は変えることはできません。他にもメンバーシップ型の働き方や、家族的組織、先人のやり方を尊重する文化など、日本独自のビジネス文化は未だ強く残っています。
そしてそれらのすべてが「害悪」と決めつけられるものでもないのです。
実は私たちの行動科学マネジメント®は、単純にアメリカの行動分析学のマネジメントスキルをそのままのかたちで持ってきたものではありません。そこに日本独自のビジネス文化の存在を加味し、どんな組織でも活用できるかたちにアレンジしているのが現在の行動科学マネジメントなのです。
もちろん、日本のビジネス文化もいつまでも同じではありません。これからの大きなテーマである「AI」の存在。時代とともにビジネスの背景は変わっていって当然です。
しかし、前述のように、科学である以上、その再現性は変わりません。「基本となる科学を、どう活用するか?」それがこのマネジメントスキルの肝となるのです。
ですから、行動科学マネジメント®は、常に新しい事例を取り入れることでアップデート、その活用法の幅は広がり続けています。この広がりを、ぜひあなたと一緒に体験していきたいというのが私たちの願いです。
次回は、行動科学マネジメント®を確立させるきっかけとなったかつての私・石田の経営者としての経験についてお話ししたいと思います。






