こんにちは、石田淳です。
■人材育成のショック
なぜ私・石田が〝科学的なマネジメント〟(後の行動科学マネジメント®)に取り組むこととなったのか……?
その背景には若い頃の私自身の、リーダーとしての大きな失策、そしてそのことによる大きなショックの存在があります。
今から20年以上も前のことです。
当時の私は、サラリーマンを辞めて新しい会社を立ち上げ、経営者として意気揚々と仕事をしていました。
会社の業績はぐんぐん伸びて周りからも「あの会社はすごい」といった評判をいただいていたものです。
しかし、大きな問題が勃発します。
それは、社員の離職問題でした。
まとまった数の人材を採用しても、その人材が次々と離職してしまう。
現在よりもまだマシだったかもしれませんが、当時から「働き手不足問題」は非常に経営課題で私も大きな危機感を抱いたものです。
会社を拡大することにはある程度の自信はあった。しかし、拡大した会社を任せる人材はどうする?
今振り返れば愚かなことですが私はマネジメント、人材育成の大切さがいまひとつ自覚できていなかったのかもしれません。
そこで私が取った手段はというと……。
「とにかく辞めてもらいたくない」
「一緒に、やる気を持って働いてほしい」
そんな願いのもと、とにかく相手の「内面」へのアプローチに終始したのです。
「腹を割って話し合えば、きっとやる気を出してくれる」
「会社へのロイヤルティ(忠誠心)を高めれば、辞めないはず」
「自分のビジネス信念をしっかり伝えよう。そうすれば共感してくれる」
そう考え、毎晩のように部下を飲みに誘ったものです。
「明日から一緒に頑張ろう!」
「君の力が必要なんだ!」
「やる気さえあれば大丈夫!」
いわゆる〝スローガン言葉〟を連発し部下の士気高揚、そして離職の食い止めに励みました。
その結果どんなことが起こったか?ある日突然の、新人の大量離職です。
■渡米。そしてメソッドの導入
結局私のやったことといえば、前回お話ししたような「古いやり方」そのものだったわけです。
具体的な仕事のやり方を教えるよりも相手の内面を変えようとしていた。
行動ではなく、やる気や忠誠心、価値観にフォーカスしたのです。
その結果、多くの社員が離れてしまいました。
「あまりプライベートには関わってほしくない」
「もっと仕事のやり方を教えてほしかった」
「この会社は自分には合っていないと思うので」
リーダーとしては大きなショックを受ける言葉のオンパレードです。
この出来事は「マネジメントのシステム」を確立させるための大きなきっかけとなりました。
皆さまの職場でも、
「もっとやる気を出してほしい」
「なぜ分かってくれないのだろう」
と感じる場面があるかもしれません。
私自身も当時は、部下が行動できない原因を、本人の意欲や気持ちの問題として捉えていました。
しかし、この出来事は、マネジメントのシステムを確立させるための大きなきっかけとなりました。
マネジメント関連の本、果ては自己啓発の本まで読み漁り、どんなマネジメントが有効なのかを模索しました。
しかし、こうした数々のマネジメント理論がいわゆる「再現性」を持つものとは捉えられませんでした。
「結局は優秀なリーダー、優秀な部下が揃えばそれが一番」そんな印象を持ったのです。
私が考えていたのは、言い方は乱暴かもしれませんが「どんな相手でも優秀なパフォーマーに変えられるマネジメント」。
つまり、高い再現性です。
もちろん、部下を機械のように扱うなどということはやりたくありませんでした。
誰もが仕事を楽しむことによってパフォーマンスを上げる。そんなマネジメントがあれば最高です。
その答えはアメリカにありました。
「行動分析学」に基づいたマネジメント。その着目点は実は相手の内面ではなく、行動。変えるべきは相手の内面ではなく、行動。
「動機付け条件」があれば、人は行動を変容させる。
そう、行動科学マネジメント®の基となる理論です。
このマネジメント理論を学ぶため、私は渡米しました。
そしてこの未知のマネジメントを持ち帰り、自社でも大きな成果を得ることができたのです。
ただし。
日本のマネジメント文化には独特の「長所」も存在します。
単にアメリカのマネジメントを輸入してきても、それがそのままぴったりと当てはまるわけではないのです。
行動科学マネジメント®は、あくまでも日本の風土に合ったかたちにアレンジされたものです。
このことについては、あらためてお話ししたいと思います。






