■「そのまま」ではうまくいかない現実
行動科学マネジメント®は、単にアメリカの行動分析学に基づくマネジメントをそのまま持ち込んだわけではない……。
前回、そのようなお話をしました。
「日本のビジネス界には、日本の風土なりの独特な慣習、文化がある」
これは至極当然のことではあるのですが、実はここが見逃されているというのも現実です。
あなたの職場にも、「うちの会社では昔からこうしている」「このやり方が当たり前だ」そんなルールや空気があるかもしれません。
たとえばビジネス書でよくある「米国〇〇社の経営スキル」といった企業研究本。
もちろんそうした本にも多くの学びが詰まっていることは事実であり、こうしたスキルを知ることには大きな意味もあるでしょう。
しかし問題は、そのスキルを〝そのまま〟のかたちで現場に導入しようとすることです。
いかに優れたビジネススキルがあったとしても、それが生まれてきた背景には、ビジネスの「環境」「条件」が存在します。
「いつ、誰が、どこでやっても同じ」という再現性を求めたとしても、それはあくまでも「根幹」の部分です。
この根幹に基づき、自社に合ったアレンジを施さなければ行動科学マネジメント®も完成しません。
(このアレンジ作業こそが、私たちの、そしてリーダーであるあなたの大きな役目と言えるでしょう)
「原典に書かれた通りにやっていればうまくいく」
残念ながら、それは現実的なことではないのです。むしろ、「正しいやり方を学んだのに、なぜか現場で機能しない」そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
■「日本独自」ってどういうこと?
行動分析学に基づいたアメリカ発のマネジメントスキルは、極めてロジカルなスキルとして確立されたものです。
もちろん行動科学マネジメント®も、この立脚点は外すことはできません。
ただし、これを日本のビジネス現場ですぐに使えるようにするには、日本人独自の特性・風土に合わせる必要がありました。
大雑把に言ってしまえばそれは、日本人の「生真面目さ」や「チームワークの尊重」といったものです。
決して間違いがあってはならない、完璧に準備しなければ行動しない。失敗はしてはならない。
そんな日本人の生真面目さを無視することはできません。
また、アメリカ的個人主義とは違う日本の協調性重視。
時代が変わったとはいえ、これも未だに残る日本の〝文化〟でしょう。
たとえば上司と部下が飲みに行き、そこで交流するいわゆる「飲みニケーション」。
これを「無いもの」にすることはできません。
コンプライアンスの観点は当然持たなければなりませんが、飲みニケーション自体を「ビジネスにおいての完全な害悪」とみなすことは少々無理があります。
「生真面目さ」
「チームワークの尊重」
こうした日本独自の要素を〝科学的マネジメント〟にどう落とし込むか?これが私たちの課題でもあったのです。
科学の原理そのものは変えない。しかし、活かし方は現場によって変わる。
これが行動科学マネジメント®の重要な考え方のひとつです。
次回、アメリカ発祥のマネジメントスキルが、なぜ多くの日本企業に受け入れられ、成果を挙げたのか。その背景には、日本人ならではの「ある強み」がありました。
その核心について、次回お話ししたいと思います。






