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株式会社テスコ様

すかいらーく様をはじめ外食チェーンを中心とするお客様に対し、修繕メンテナンス業務の管理・代行サービスを提供している株式会社テスコ様は、ウィルPMの職場オペレーション効率化プログラムを導入しました。プログラム導入の担当である取締役の津嶋氏に、プログラム導入の背景と経緯、導入後の変化などについて詳しく伺いました。

実際の「行動」を変えられるメソッドを探していました。

ウィルPMのプログラムを導入した経緯

ウィルPMのセミナー案内をいただいたのがきっかけです。そのセミナーのラインナップの1つに石田さんの「教える技術」があり、受講しました。当時は「自分だけでなく社内のリーダー層も受けられる研修はないか」という視点で探していました。

そのセミナーが2回コースだったのですが、1回目が終わった後にの石田さんから“宿題”を出されたんです。その1つが「2回目が開催される2週間後まで、自分の部下に何回声をかけたか、『正』を書いて毎日チェックしてみてください」というものでした。部下に「いつもありがとう」など、ひと言かける行動を強制的にやらされたわけです(笑)。

ところがやってみると、2つの気づきがありました。1つは、「どれだけ自分が部下に声をかけていなかったか」がわかったこと。もう1つは、「実際に声をかけられた部下の動きが変わったこと」です。今まで自分から来ることのなかった部下が、自分から報告をしてくれるようになり、嬉々として動いてくれるようになりました。

私は2011年2月にテスコに入社したのですが、前職で経営企画の仕事が長かったせいか、「業績を上げるためには、まず仕組みや制度などハード面の整備・改善から」という固定観念があり、情報システムの整備や人事評価制度の改善に取り組みました。残念ながら、業績は上がりませんでした。暗中模索状態で、ビジネス書を読んだり、セミナーや研修に行ったりする中、企業変革の成功者は、挨拶や感謝など「どんなに小さくても今すぐできる行動」を非常に大切にしていることに気が付きました。そして出会ったのが「行動科学マネジメント」でした。行動を変えていくメソッドが体系化されているので、とてもしっくりきたんです。

「とにかくスピードを上げること」で顧客満足度を高めたかった

導入前に抱えていた課題

1つは、リードタイムの問題です。私たちの業務は、飲食店さんの設備全般の修繕メンテナンスです。例えば、エアコンが効かないという問題が発生した場合、飲食店さんからすれば営業時間外の時間を使って一刻も早く直してもらいたいですよね。緊急性の高い修繕は「3時間以内に駆けつける」、通常の修繕は「3日以内には完了させる」を顧客満足の1つの指標と考え、この割合を上げたいと考えていました。

もう1つは業務効率のメリハリです。従業員同士や部署間の社内においても、お客様や取引先様との社外対応においても、とにかく目の前の仕事に追われ、こなすことで精一杯、「余計なことはしたくない」という日々が続いていました。業務にメリハリをつけることで、この状況を変えたいと思いました。「業務を回す仕組み自体は効率を重視し、人と人、特にお客様や取引先様と接する業務は気遣いや人情を重視する」というモットーで組織を運営していきたいと思っていました。そのためには自律的な組織運営が必要となるのですが、一足飛びにはいかないので、その前段階として「当たり前のことを徹底する。言語化して、共通認識にする」、「全社視点で組織・チームの役割を明確にする」ということが非常に大切だと感じましたね。

教える人が参加し、現場を徹底して「見える化」&改善法を検討

どのようなプログラムを導入されたのか?

1ヵ月に1回、職場オペレーションを効率化する観点で、毎回テーマを変えながら研修をしてもらっています。参加人数は30名ほどですね。コールセンター、営業所、事務センターの「人にものを教える立場」の人に、雇用形態を問わず、すべて集まってもらっています。

これまでの研修で一貫して取り組んできたのは、「よくつまずくところはどこですか?」「それをつまずかないようにするにはどうすればいいですか?」ということの洗い出しです。あれこれ広げず、毎回1つにフォーカスして、「ここで間違いやすいから気をつけよう」ということを参加者全員で共有しました。そして、今日から現場でやれることを増やしていきました。

こうした研修でのさまざまな気づきをもとに、業務スピードアップの徹底、現場の実態を「見える化」して受付から作業完了までのデータ更新の適時的確性の徹底、経営数値をはじめとする日常情報共有の徹底なども進めてきました。

リードタイムの数字が劇的に変動し、横の繋がりも生まれた

導入後に見られた変化

まず、懸案だったリードタイムで変化がありました「3日以内修繕完了率」ですが、以前の60%程度から75%まで高まり、90%を目指せるところまで上がってきました。これはまさしく行動科学の研修の効果と感じています。

また、社内に横のつながりが出来たのも大きいですね。それまでは、コールセンターと事務センターの人間、東京と地方事業所の人間など、場所や役割の違う人同士が面と向かって話す機会があまりなかったんです。ところが、研修や合宿を通じて、顔を合わせ、話をすると共通言語が出来ていくんです。その後も、「こっちではこうやったらうまくいったよ。そっちでもやってみたら?」といった情報交換が行われるようになりましたし、良い意味での競争原理が働くようになってきましたね。

人手不足が加速する今後、私たちのビジネスはますます伸びる

今後の構想について

これまでの研修は、「目の前の業務をいかにつまずかずにうまくやるか」がテーマでした。今は、組織の役割を全体最適の見地から再設計するに取り組んでいます。1泊2日の研修も行いました。これまでの業務をゼロベースで見直し、「そもそもこの仕事はこの部署でやった方がいいな」といった点などを社員とともに洗い出していきたいと思っています。

また、社員ひとり一人には、お客様、協力業者さん、前工程・後工 程の人に対する「担当業務+α」の気遣いや行動を求めたいですね。それによって、個の力がチーム・組織の力になっていくと感じています。そして、会社のビジョン、ミッションをペースとした自律的な行動ができる集団でありたいですね。そのためには、経営層が共感できるストーリーを語れることが前提となりますが、社員を巻き込みながらシナリオ作りをしていきたいと思っています。

今、労働人口の不足が叫ばれていますが、我々にはチャンスであると断言できます。外食産業の人手不足が深刻で、なかなか店舗のメンテナンスに人手を回せないからです。修繕を始めとしてさまざまなサポートができる我々のビジネスは、今後まだまだ伸びると感じています。まさに、今が変化の時。あらためて自分たちの強みを再確認し、真摯に取り組んでいこうと思っています。

そのためにも、楽しく、仕事のやりがいを感じられて、現場の方が働きやすい会社にする必要があると考えています。

業績を上げるには、行動を変えなければいけない

最後にメッセージを

行動科学は、非常に実践的です。多くのセミナーや研修は、将来のビジョンや戦略に対して教えてくれたりするんですが、「では、今何をすればいいのか?」という疑問には答え切れていない気がします。その点、行動科学は「今、何をしたらいいか?」という疑問に答えられるメソッドだと思いますね。

「業績をあげるには行動を変えなければいけない」――そこにフォーカスしているのが最大の特徴だと思います。いくら良い話を聞いて目から鱗が落ちたといっても、実際に人が行動しなければ何も変わらないですから。導入を迷われている方に対しては、「ものは試しでやってみましょう」というメッセージを送りたいですね。

津嶋様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:有限会社ジェット