JTBのグループ会社で福利厚生事業を担うJTBベネフィットは、顧客サービスの一環としてウィルPMの行動科学マネジメントセミナーを実施しました。営業戦略部の渡邊氏に、その経緯と理由、実施内容、結果などについて詳しく伺いました。
JTBベネフィットについて
JTBベネフィットについて教えてください。
JTBベネフィットは、JTBグループの会社で、1,107の法人や組織の福利厚生を請け負っています。現在、サービスを利用する会員数は271.1万人です。設立は2000年、売上高は90億円、従業員数は209名(2012年)です。
JTBベネフィットのウィルPM活用方法
JTBベネフィットはウィルPMをどのように活用しましたか。
ウィルPM代表の石田先生をお招きし、6月12日にセミナーを、7月10日にセミナーと異業種交流会を実施しました。
それぞれの内容は次の通りです。
項目 | 内容 |
日時 | 6月12日 |
人数 | 45名 |
参加者 | JTBベネフィット会員制福利厚生サービス「えらべる倶楽部」会員様 |
セミナータイトル | 挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術 |
項目 | 内容 |
日時 | 7月10日 |
人数 | 22名 |
参加者 | 契約企業の福利厚生担当者様 |
セミナータイトル | 「行動科学マネジメント」~組織と人材のベストを引き出す~ |
受講者様へのアンケートの結果は良好でした。弊社のブランド価値の向上に寄与していただけたと思っています。
福利厚生の専門会社がマネジメントセミナーを実施した目的
上記のような企画を実施した目的を教えてください。
一般的に、福利厚生には、リフレッシュやリクリエーションという価値を提供しているというイメージがあると思います。
この企画の目的のひとつは、当社の契約企業の人事担当者様に、「福利厚生には様々な価値があり、人を育てる機能もある」ということをお伝えすることです。企業の人事部門の大きな役割のひとつは、従業員の成長支援をすることです。私はこの取り組みが、結果的に、契約企業様の従業員の成長に貢献すると考えています。
セミナーが生み出した効果について
順番にお伺いします。まず、6月12日のセミナーについて教えてください。
弊社は現在、福利厚生サービスの一つに「従業員の成長支援」をあげ、「仕事を楽しくすること」、「ビジネスのスキルアップ」をテーマに、会員様向けに様々なセミナーを実施しています。その一環として、6月12日のセミナーを企画しました。石田先生には、参加された方が仕事を楽しくするための基本スキルとなる「始める力」や「続ける力」をテーマに、話をしていただきました。
私が驚いたのは、セミナー当初は単なる願望だったことが、セミナー終了時には行動計画になっていたことです。
もう少し詳しく教えてください。
セミナーの最初のワークは、「これから始めたいことを模造紙に書く」という内容でした。受講者様は、例えば、「マラソンに挑戦したい」、「英語をマスターしたい」、「奥さんと仲良くしたい」といったことを書きます。ただ、この段階では、単なる願望でしかありませんので、参加者に実行する気は全くありません。しかし、最後のワークを終えると、これから始めたいことを目標にした、具体的な行動計画ができあがっているのです。
最初のワークが、単なるオープニングのアイスブレイクではなく、この結果への伏線であることに驚きました。
受講された方の反応にはどのようなものがありましたか?
弊社は、セミナーのアンケートに、「明日からすることを教えて下さい」という項目を設けています。その中には、「作成した行動計画書に取り組みます」といった前向きな記載がありました。
また、セミナー終了後に、受講者様同士が誘い合って飲み会を開いたと聞きました。これは弊社の会員様向けセミナーが始まって以来、初めてのことです。
どうしてそうなったとお考えですか。
ワークが受講者間の心の距離を縮めるような内容であったこと、ワークによって「自分にもできる」という前向きな気持ちが生まれたこと、それから、石田先生が一体感を生み出すようなファシリテーションをしていたことが理由だと考えています。
初の異業種交流会開催にウィルPMを採用した理由
次に、7月10日のセミナーと異業種交流会について教えてください。
セミナーの受講対象は契約企業の福利厚生担当者様で、内容は「従業員にスモールゴールを達成させるためのマネジメント」についてでした。「やるべき行動を言語化したり、やり方を見せたりするといった正しい手法を知っていれば、従業員にスモールゴールを達成させることができる。」といったことをお伝えいただきました。
異業種交流会はその後に開催したのですが、実は、異業種交流会は、今回が初めての試みです。目的のひとつは、参加者様に福利厚生の知見や悩みを共有していただくことですので、参加者同士の活発なコミュニケーションが必要です。6月のセミナーで、石田先生のワークには、人と人との距離を縮める力があると実感し、「第1回目の異業種交流会を成功させることができるのは、石田先生しかいない」と判断し、依頼しました。
企画立案から実施までの経緯
ウィルPMの行動科学マネジメントを取り入れて企画立案した経緯を教えてください。
私は前個所で、自社の社員向けに研修を実施する企業様から依頼を受け、研修会場の手配をするという業務をしていました。そのために、各社の人事部の研修担当者様と、企業の課題や研修内容、講師について打合せをするのですが、この経験を通じて、私自身が研修プログラムを作成したり、講師をするようになりました。このときに培ったものを活かして、会員様向けへ様々なプログラム提供をしています。
石田先生のことはこのプロジェクトのスタート前から存じていました。「お会いしたい」と、機会があるたびに人に伝えていたところ、今年の2月に、ある方を介して知り合うことができたのです。私は、お客様にセミナーをご提供する際には、著作物書籍を読んだだけで講演の依頼をすることはありません。必ず一度、実際にセミナーなどでお話を伺っています。なぜなら、著者の中には、書籍と実際とでは人物像が異なっていたり、話の内容に奥深さを感じられなかったりする方がいるからです。石田先生には、そういったことがありませんでした。
お会いした日に、「ビジネスマンに楽しく仕事をしてもらうには、マインドだけではなく、スキルも重要だと考えています。その最適なスキルが、石田先生の行動化科学マネジメントです。ぜひ協力してください。」と考えをお伝えしたところ、快く引き受けていただきました。
ウィルPMとの出会い
ウィルPMを知ったのは、いつ頃ですか。
ウィルPM社を知ったのは数年前です。当時、私はJTBで20名の営業チームを持っていたのですが、「スタッフが楽しく仕事をするにはどうしたらよいか?」と悩んでいた時に、ふと手にしたのが、「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」という書籍だったのです。
マネジメントに関する書籍はたくさんあります。その中には、心に響くものもあれば、頭に響くものもありますが、その両方に響くものはほとんどありません。石田先生の書籍はその両方に響きましたので、すぐに「すごい『実行力』」、「超!部下マネジメント術」、「『やる気を出せ!』は言ってはいけない」をはじめ、当時出版されている書籍を揃えました。
書籍の内容を仕事に取り入れはじめてから3年経ったときには、スタッフのうち何名かが「仕事が楽しい」と回答してくれるようになりました。
ウィルPM社と他のマネジメント会社の違い
マネジメント会社が多々ある中で、ウィルPM社を選ばれた理由を教えてください。
理由は2つです。
まず、企業の人事部門には、従業員の成長支援をするという役割がありますが、その役割を果たすために、行動科学マネジメントは最適な方法だからです。
行動科学マネジメントは、個人が成功するための具体的な手法を提示しています。もし実践して、成功しなかったとしても、成長という結果は得ることができます。セミナーを通じて、このことを人事担当者様に知っていただければ、間接的に契約企業様の従業員の成長支援に貢献できると考えています。
次に、行動科学マネジメントの手法は、汎用性が高いからです。
ドラッカーのマネジメントは、素晴らしい内容ですが、そのベースにはマネジメントの前提となる「人間力」を高める必要があります。行動科学マネジメントの手法は、どんな状況でもすぐに適応することが出来ます。また、実践する人が上司であっても部下であっても、組織のマネジメントにもセルフマネジメントにも使用できます。このような手法は他にはありません。
自社の顧客向けに企画を考えている方へ
自社の顧客向けに企画を考えている方へのメッセージをお願いします。
弊社では、「福利厚生が従業員の成長支援にどのように役に立てられるのか」を各社の人事担当者様と一緒に考える場として、セミナーや異業種交流会を実施しました。
先ほども述べたように、行動科学マネジメントは、企業のあらゆる立場の人が実践できる汎用性が高い手法であり、個人の成長支援をするために最も信頼のおける手法です。とはいえ、行動科学マネジメントをご存知ない方もいますので、弊社ではまず、普遍的なテーマでセミナーを実施しました。自社の顧客向けにサービスを考えている方は、状況に合わせた企画を検討してみてください。