こんにちは、石田淳です。
最近、ビジネス界で注目を集めるワードに「静かな退職」というものがあります。
元は米国のキャリアコーチが発信した言葉のようですが、その意味は簡単にいえば「仕事への意欲を持たないまま 会社に居る」ということ。
指示された必要最低限の業務しかやらない。
会社の行事には興味がない(参加しない)。
会議などでの発言もない。
もちろん残業はしない。
そして、出世を望まない。
つまり所属する組織への、あるいは自分の仕事へのワークエンゲージメントがまったくない状態です。
「最低限のことだけやって、それに見合った給与があればそれでいい」
若年層と中心にそのような考えで仕事に臨む人の存在が、このところ顕著だというのです。
このことに「たしかに思い当たる」と感じる人も多いのではないでしょうか(特にベテラン層などは)。
「仕事は自分で見つけるもの。創り出すもの」
それが「できる人」の常識とされていた時代はすでに終わっています。
それどころか、ビジネスにおいて「『できる人』を目指す」ということ自体、もはや古い志向なのかもしれません。
「稼ぐ」「できる人になる」「成功する」……。
かつてはこのようなテーマのビジネス書が人気を博していた。
しかし今はそういった書籍はニーズが少ない……。知り合いの編集者もそう話していました。
話を「静かな退職」社員に戻しましょう。
静かな退職社員が蔓延している。
しかし、若手社員のすべてが最初から「仕事をする気、なし」と考えて会社に入っているわけではありません。
「できる人になりたい!」そう願っている人もいるはずです。
しかしそんな人材は……。
そう、さらなる自己成長を求めて早々に〝本当に〟退職してしまうのです。
次回、あらためてこの問題に踏み込んでみましょう。
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■石田淳 著作紹介51
「若手がすぐに辞めてしまう問題」に行動科学的見地から言及。「辞めさせない」「育成する」「定着させる」そして「自らも数字を出す」というさまざまな問題を抱え込む上司に今、あらためて読んでいただきたい一冊です。