こんにちは、石田淳です。
職場での(上司と部下の)信頼関係の構築、心理的安全性の確保のための〝日々のコミュニケーション〟の重要性についてお話を進めていきます。
「もっとコミュニケーションを」
そういったスローガンを掲げる職場は少なくないでしょう。
しかし、何度もお話ししているように、そのスローガンは「具体的な行動」に落とし込まなければ何の意味もありません。
当然のことですが、「コミュニケーション」が何を指すのかについて職場のメンバー各人の解釈が働いてしまうからですね。
ある人は「じゅうぶんコミュニケーションを取っている」と認識していても、違う誰かにとっては「いやあ、ウチの職場はコミュニケーションが取れていないんだよ」という認識かもしれません。
これはビジネスの現場に限らず、教育の場、あるいは家庭においても当てはまります。
そもそも「(その場が)どんな雰囲気か?」と捉えること自体が非常に主観的なものです。
極端に言ってしまえば、コミュニケーションの量は定量化して数値として計測できるようなものが求められます。
数えるものは、そう、「行動の数」です。
前回お話しした「日々の声かけ」も「1日に何回部下に声をかけたか」を計測するべきでしょう。
書籍にも書いたことですが、「ウチは日々の声かけなんていう日常的な当たり前のことはとっくにできていますから!」という認識の現場マネジャーは意外と多いものです。
そんな人たちに「では、1日に何回部下に声をかけたかを試しに数えてみてください」と提案し、実践してもらうと、ほとんど声をかけていないという日が多々出てきたのです。
「やっているつもりだけど、やれていなかった」
「実際は、思っていた様(さま)と違っていた」
人間にこうしたことが起こるのはある意味「仕方がないこと」。
だからこそ、そこには「具体的な行動の計測」という作業が必要なのです。
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■石田淳 著作紹介37
『短期間で社員が育つ 行動の教科書』ダイヤモンド社 2018年刊
「行動にフォーカスしたマネジメント」を自分の組織に導入、実践するために必要な「行動の教科書づくり」のノウハウを紹介した一冊。人事・教育担当者はもちろん、現場で日々部下と接するマネジャー層にもぜひおすすめの実践書です。