こんにちは。石田淳です。
「自分にとってはそんなの常識」
そういった考えで新人に対して
「できて当たり前」
「言わなくてもわかるだろう」
という指導を行うことはタブーである。
前回はそんなお話しをしました。
「若い世代に対して、どんな指導をすればいいか?」
「新人を『できる人材に』短期間で育てるには?」
マネジャー職の方からのこうした質問は後を絶ちません。
さらに「あえて失敗経験も積ませて鍛えていこうと思うのですが……」といった声も聞かれたりもします。
「失敗から何かを学び取らせる」
「場数を踏むことによって仕事を覚える。ときには失敗してもいい」
そういった考え方もあるでしょうが、行動科学マネジメントでは
「あえて失敗させる」
「とにかく経験させることが大事」
という考えは、重視しません。
「行動の結果が望ましいものであれば、人はその行動を繰り返す」
何度もお話ししているように、これが行動科学マネジメントの基本です。
「行動した」→「失敗した」
これでは望ましい行動は繰り返されません。
相手は挫折感と無力感を覚えるだけでしょう。
「小さくてもいいので、成功体験を与え続ける」
すなわち、望ましい行動の果てには達成感と自己効力感という「望ましい結果」が待っている、ということを体感させなければならないのです。
「自分は仕事で失敗することによって〝負けん気〟を出して頑張ってきた」
そんな思いの方もいるでしょう。
しかし、それもまた「自分にとっての常識」「自分の場合はこうだった」に過ぎません。
ストレス耐性が低い、そして「丁寧に教えられること」を望んでいる今の若い世代には、仕事における「望ましい結果」を与えられるよう工夫すべきです。
これが「甘やかす」という意味ではないことは、あなたにはわかりますよね?