こんにちは。石田淳です。
「マネジメントの仕事に向いている人ってどんな人でしょうね」
そんな質問も実はたびたび受けるものです。
「周りに気を配れる人」
「人から信頼される人」
そう考える人もいるかもしれませんね。
しかし、周りに気を配れる人や信頼される人格者が実際にマネジャー職に就いても、上手にマネジメントができるとは限りません。
何度もお話ししていることですが、ビジネスにおけるマネジメントの目的とは「相手に成果を挙げてもらうこと」に尽きます。
いくら周りに気を配れても、いくら周りから好かれようとも、マネジメント対象者が成果を挙げられなければ、マネジャーとしては失格です。
少し厳しい言い方になってしまいましたが、このことを見落として「あの人材をマネジャーに」と考えてしまう経営者はとても多いのです。
さらに身もフタもない言い方をすれば、マネジメントの仕事に向いている人とは、「マネジメントのスキルを持っている人」に他なりません。
しかしこれこそが多くの中小企業における人事の問題にもなります。
そう、「マネジメントのスキル」自体、多くの人が学んだ経験がないからです。
そして、どんな人がマネジャーになるかといえば、「プレイヤーとして優秀な人」がその代表です。あるいは「勤続年数が長い人」でしょうか。
当然のことながら、プレイヤーとしてのスキルとマネジメントのスキルはまったくの別物です。また、勤続年数が長いことがマネジャーのスキルを養っているわけでもありません。
中小企業のトップはこの当たり前の事実を忘れてはなりません。
そして「マネジメントの専門家」、すなわちプロフェッショナル・マネジャーの育成に真剣に取り組まなければならないのです。
「プレイヤーとしてはイマイチ」……そんな人材がマネジメントのスキルを身につけて大いに会社に貢献する……なんてことも十分あり得るのです。