こんにちは。石田淳です。
前回のメルマガで触れた「ハードルの低い行動は発生しやすく、ハードルの高い行動は発生しにくい」という人間の行動原理について、もう少しお話を続けましょう。
「ハードルの低い行動は発生しやすく、ハードルの低い行動は発生しにくい」という行動原理を別の言い方で表せば、「人間は行動の結果にメリットがあれば行動を繰り返し、デメリットがあれば行動を繰り返さない」となります。
つまり、行動の結果が「ラクだった」はメリット。
「面倒だった」はデメリットということですね。
たとえばあなたが体作りのためにスポーツジムに入会したとします。
しかし、ジム通はなかなか続かない。
「ジムで体を鍛えるぞ!」
と固く決意したにもかかわらずです。
それは自分の気持ちが弱かったからでしょうか?
どうすれば「ジムに通って体を鍛える」という習慣を手にすることができるでしょうか?
そう、行動のデメリットを減らし、メリットを増やせばいいのです。
ジムに通いたての人によく見られるのが、〝張り切りすぎてしまう〟ということ。
いきなりハードなトレーニングに挑み、疲れてしまう、挫折感を味わう…。
これは大きいなデメリットですよね。
しかも、たった数回のトレーニングでは体つきが良くなるというメリットも享受できません。
続けるためには行動にメリットを与えなければならない。
さまざまなことが考えられますが、最もわかりやすいのは「少しずつやる」ということ。
専門的には「スモールゴールの設定」です。
いきなり高い目標に挑んで挫折するのではなく、ハードルの低いラクなトレーニングから始めて達成感というメリットを享受する、ということです。
これが、私たちがさまざまなメディアでお話ししている「ABCモデル」というものです。
【A(Antecedent)先行条件】
行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境
【B(Behavior)行動】
行為、発言、ふるまい
【C(Consequence)結果】
行動によってもたらされるもの。行動した直後の環境変化
人が行動を起こすには、行動のための条件があり、行動し、結果が生まれ、その結果がまた次の行動を促す(あるいは促さない)。
これはどんなシチュエーションであっても変わることはありません。
行動にフォーカスしたマネジメントが高い再現性を持つのも、この普遍の原理に則っているからです。