こんにちは。石田淳です。
「ウチの○○(社員の名)は、やる気がなくて…。もっとやる気を出して欲しいんですけどね」
「どうしてやる気がないとわかるんですか?」
「だって大事な会議にいつも遅刻するんです」
「遅刻する理由は何でしょうね?」
「……やる気がないからですよ」
こうした堂々巡りは、多くのマネジメント現場で見られるものです。
「売上目標を達成できなかったのは、君に危機感が足りないからだよ」
「そんなことはないと思いますが…」
「いや、君には危機感が足りない!」
「どうしてそう思われるんですか?」
「だって、売上目標を達成していないじゃないか!」
こんな堂々巡りもよくありますね。
〝遅刻する〟を
〝やる気がない〟に言い換えているだけ。
〝売上目標を達成できない〟を
〝危機感が足りない〟に
言い換えているだけ。
このように物事を同じ意味の言葉で言い換えることを「トートロジー」(同義反復・同語反復)といいます。
リーダー・マネジャーにとってトートロジーを多用することはタブーです。おわかりのように、こうした問答ではいつまで経っても問題は解決されないからですね。
ミーティングなどでトートロジーが続けば、それこそそのミーティングは、まったく無駄なものになります。
では、なぜトートロジーが多用されがちなのか?
そう、問題解決の答えを相手の「内面」に見出そうとしているからです。
やる気を出せば遅刻がなくなる。
危機感を持てば売上目標が達成できる。
リーダー・マネジャーがそう考えている以上、無駄な堂々巡りはなくなることはありません。
着目し、変えるべきなのはもちろん相手の「行動」です。
内面が変われば行動が変わる?では、内面はどうすれば変わるのでしょう?
これもまた堂々巡りですね。
行動を変えるには、行動できるような、あるいは行動できないような環境を整えればいい。
これが行動科学マネジメントのアプローチです。
問題解決の際は、フォーカスする対象を間違えないようにしましょう。