昨年末に訪れたアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコは、大手IT企業が集中して集まり、テクノロジー分野の中心ともいえる「シリコンバレー」がある場所です。
サンフランシスコは世界経済を牽引するテクノロジーを生み出す重要な土地となり、そこで働く人たちにも、高所得者が多くいます。
驚くべきはその「レベル」です。
アメリカの住宅都市開発省が昨年発表したある報告書によれば、サンフランシスコ市と近隣のサンマテオ郡、マリン郡では、年収11万7400ドル(約1300万円)の家庭は、なんと「低所得層」に分類されるというのです。
たしかにサンフランシスコ市は、「ハイソサエティ」な街、という雰囲気にあふれていました。
「多くのお金持ちが住んでいるんだろうな」ということは、訪れた者にもすぐに実感できます。
しかし、「これほどまでに」というのが、私の思いです。
日本の会社員の平均年収は432万2000円(2017年度)といわれています。
「年収1300万円」といえば、一般の会社員としてはじゅうぶんに「裕福」といえるでしょう。
しかし、経済の中心、〝最先端の土地〟では、それだけの収入がある家庭が「低所得」とみられるのです。
物価の違い、通貨の力の違い、そしてカルチャーの違いなどがあるにせよ、この事実はちょっとびっくりです。
とはいえ、数字だけを見て「だから日本人はまだまだ貧しいんだ」と言うことはできません。
また、サンフランシスコで「低所得層」と言われる人が、どんなレベル、どんな思いで暮らしているかも、詳しくはわかりません。
ただ、日本で「高所得」「低所得」と言ってはいても、それはあくまでも日本国内でのことであり、世界を見れば「上には上」のレベルがある、ということです。
「日本の裕福」は「カリフォルニアの低所得層」
本当の豊かさとは何なのか、働き方改革をきっかけに、今一度考えるべきかもしれませんね。