こんにちは。石田淳です。
「名選手が名監督になれるわけではない」すなわち「ハイパフォーマーが優秀なマネジャーになれるわけではない」というお話を前回しました。
厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、これは「プレイヤーの力量とマネジャーの力量は全くの別物」「勤続年数や経験値とマネジメント能力は全く関係ない」ということです。
「なんであいつは言ったとおりのことをできないんだ?」
「やる気が足りないからできないんだ」
「もっと真剣に取り組めばできるはずだ」
実はこれらの言葉は、ハイパフォーマーがマネジャーになった際によく聞かれる言葉です。
「自分が(普通に)できているんだから相手もできるはず」
暗黙知のやり方で成果を出している人には〝できない人〟がなぜできないのかがわからないということが多々あります。
そこで、「できない理由」を相手の内面の問題と決めつけてしまいがちなのです。
「やる気がないから」
「真剣に取り組んでいないから」
「ハングリー精神が足りないから」
さらには「今の奴らは……」などと、時代背景のせいに片づけようとしてしまいます。
何度も語っていることですが、大切なことなので繰り返します。
できない人ができない理由は
「やり方を知らない」
「(成果に結びつく)行動の続け方を知らない」
という、この2つだけです。
そして、それらを人に習得させるためには、またそれなりの「やり方」があるわけです。
見方を変えれば、ハイパフォーマーでない人材でもこうしたやり方=「教える技術」を知っていればハイパフォーマーの行動を観察、分解して具体的に言語化して伝えることによって、優秀なマネジャーとなれる、ということです。
「優秀なプレイヤーは優秀なマネジャーとなる」
大企業、中小企業を問わず日本の企業は、こうした思い込みから脱却することが必要でしょう。