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部下の価値観はいつだって十人十色③

こんにちは、石田淳です。

 

「『自ら行動する』=行動自発率の差が、できる人、できない人の差」

 

前回はそんなお話をしました。

 

そして、自ら行動することを相手に促す、つまりマネジメントにおいて相手に対して(望ましい)行動を発生させ

さらにその行動を継続させるためには、相手の「価値観」が大きく関わる、ということも。

 

簡単に言ってしまえば、上司は相手(部下)が「行動の果てにどんな結果が欲しいのか」を理解しておかなければならない、ということです。

 

「何のために仕事をするのか?」

 

それは突き詰めればそんな問題になるわけですが、もちろんこれも精神論ではありません。言い換えれば「何が欲しくて仕事をするのか?」ということ。「報酬」の話なのです。

 

「仕事における『報酬』は賃金に決まっているだろう」

 

そう考える人は多いことかと思いますが、行動科学マネジメントには「トータル・リワード」という考え方があり、人が報酬と感じるものには、さまざまなカタチがあるのです。

 

これがすなわち相手の「価値観」であり、それは十人十色だ、ということです。

 

たとえばある人は「より多くの金銭」を欲して仕事をする。またある人は「成長の機会」を欲して仕事をする。またある人は「社会的な安定」を欲して仕事をする…。

 

価値観が多様化した今は、部下が仕事の結果として何を欲しているのかを日々のコミュニケーションの中から見つけ、上司が把握しておくことが大切です。

 

「もっと頑張れば、給料がアップするよ」

「もっと頑張れば、出世するよ」

 

誰もが給料アップのために仕事をする。

誰もが出世のために仕事をする。

 

ビジネスパーソンならば〝普通は〟出世したいのが〝当たり前〟。

 

そんな単純な考えはもはや通用しません。

 

さらに言えば、これは「採用」の際にも極めて大切なファクターです。

 

「とにかく人手が足りないから、採用」。しかし、相手は「自分の欲しいものが与えられない」ということから、すぐに退職。そんなケースも今はよくあります。

 

「相手の価値観を探り、把握する」

 

これからの上司には、かつては重視しなかったそんな作業が必要とされるのです。

 

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■石田淳 著作紹介75

『組織が大きく変わる「最高の報酬」』

日本能率協会マネジメントセンター 2009年刊

「お金ではない『報酬』」「部下は何をもって『報われた』と感じるのか」そうした問題をアメリカ発の「トータル・リワード」の考え方に基づき考察した一冊です。

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