こんにちは、石田淳です。
前回お話しした「劣後順位」。
簡単に言ってしまえば「やらなくていいことを明確にして、やるべきことだけをやる」ということです。
実は、「2:8の法則」でいう組織全体の2割を占める「できる人」、つまり成果を挙げるハイパフォーマーはこの劣後順位を自然に組み立てていることが多いものです。
いつもいっぱいいっぱいで、休むヒマもなく働き続けている人。
一方、「いつ仕事をしているのか?」と思うほど余裕を持っていて残業もしない。定時には必ず帰る人。
成果を挙げているのは実は後者、というケースは、多々見られます。
「忙しい」
「ヒマがない」
そんな言葉が口癖になっているような人は、言い方を換えれば「やらなくていいことまでやっている」という人かもしれません。
そして、やらなくていいことに時間を割いているため、本当にやらなくてはならないコアな仕事が圧迫されている……。
これでは本末転倒ですね。
「成果を挙げる」
「結果を出す」
そのために必要なことは、いかに「やるべきことだけをやるか」とも言えるでしょう。
「世の中に無駄なことなんかない」
「どんな作業にも学びがある」
時々そんな精神論を耳にすることもあります。
これを完全に否定するつもりはありませんが、成果を出し、その成果を次の行動の後押しとする行動科学マネジメントでは、「成果に結びつくこと(行動)」を最重視します。
あなたのチームにも「やらなくていいこと」をやっているということがたくさんあるのではないでしょうか。
「部下に、やらなくていいことをやらせない」
それはリーダーの大きな役割なのです。
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■石田淳 著作紹介72
『マンガでよくわかる 教える技術2<チームリーダー編>』
かんき出版 2015年刊
2014年刊の『教える技術 チーム編』のマンガ版。現場メンバーとの関係にギクシャクする主人公が「教える技術」のノウハウを使ってチームマネジメントを成功させるストーリーです。