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AI時代とマネジメント③

こんにちは、石田淳です。

 

「(上司と部下の)信頼関係構築」。

 

これはマネジャーの仕事として常に大切なことだと、以前からさまざまな機会にお伝えしてきました。

 

もちろん、精神論的、道徳論的な話ではありません。(部下に)望ましい行動を継続してもらい、成果を挙げてもらうという言ってみれば「マネジメントの目的」を果たすために、信頼関係を築いておくことが不可欠だからです。

 

「信頼関係」と聞くと、人によってさまざまなイメージが湧くことでしょう。

 

ここでいう信頼関係とは、すなわち「何でも言える、話せる関係」ということです。

 

そう、これが「心理的安全性」につながるのです。

 

「職場に心理的安全性を」

「心理的安全性のある組織は伸びる」

 

昨今よく言われている言葉ですが、ごく簡単に言ってしまえば、それは「ここでは考えていることを何でも言っていい、許される」という環境を整備するべし、ということでしょう。

 

それを実施するのは、AIではなく、リーダー、マネジャー。

 

何度もお話ししているように、部下にとって「ここがどんな会社か? どんな組織か?」という問題は、すべて〝直属の上司〟がどんな行動をしているか?によって左右されます。

 

たとえばいつも時間を守らない上司を見ていれば「この会社はルーズな会社なんだな」と感じるでしょうし、「まずは自分で考えろ」「仕事のやり方は自ら編み出すものだ」と唱える人が直属の上司であったなら、「ここは人材育成のノウハウがない組織なんだ」と思われることでしょう。

 

したがって、マネジャーが「何でも話していい人」でなければそこには心理的安全性も確保できない、ということです。

 

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、このことを念頭に置かずに、「何かいいノウハウはありませんか?」「部下にモチベーションを持たせるとっておきの一言ってありませんか?」などと、小手先のノウハウを求めるマネジャー職の人がとても多いのが事実なのです。

 

繰り返しになりますが、信頼関係構築は、精神論、道徳論ではありません。

 

次回、この「AIには任せられないマネジャーの仕事」についてさらに詳しくお話します。

 

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■石田淳 著作紹介35

『育てる技術』日経BP 2013年刊

「部下育成で重要なのは、相性でも情熱でもなく、『行動』に焦点を当てること」。精神論や道徳論、感情の問題などを排し、科学的なアプローチで相手の行動を変容させ成果を挙げてもらうという「行動科学の基本」をわかりやすく解説した一冊です。

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