こんにちは。石田淳です。
「小さなゴールをクリアすることを積み重ね、最終的に大きな目標を達成する」
こうした「スモールステップ」の考え方について、何か精神論的なものを感じる人もいるようです。
「何事もコツコツやることが大事」
「高望みをしてはいけない」
そんなイメージを覚えるのでしょうか。
しかし、もちろんここでお話ししているスモールステップ=ちょっとずつやることは、決して精神論や道徳の話ではなく、あくまでも「科学的な」マネジメント手法です。
ここで行動科学マネジメントの基本概念である「ABCモデル」を思い出してみてください。
人は行動するための「条件」があり、その条件を満たすために「行動」を起こし、行動の「結果」がまた次の行動につながる、というものですね。
行動の「結果」が望ましいもの、つまりメリットがあるものなら人はその後も行動を継続します。
スモールゴールの考えでいえば、最終目標に到達するために次のゴールに向かうのがその後の行動、ということになります。
では、スモールゴールをクリアすることで得られる「メリットのある結果」とは何か?
それが「達成感」「自己効力感」です。
行動の結果としての「やり遂げた」という満足感。
これが達成感。
行動の結果として「自分にもできる」という自信。
これが自己効力感です。
スモールゴールをクリアすることで達成感と自己効力感を得て、次のスモールゴールへ向かい、最終的なラストゴールへと到達する。
これがスモールゴールのメカニズムです。
言い方は悪いかもしれませんが、多くのマネジャーが
「小さなこと」を軽視しているように思うときがあります。
「そんな些細なこと、できて当たり前」
「この程度で満足していてはダメだ」
そうして部下を〝いきなり〟大きな目標にぶつけてしまうのです。
できるリーダーは人の「達成感」「自己効力感」を上手に活用するものです。