こんにちは。石田淳です。
行動科学マネジメントが目指す理想の組織の在り方、それはメンバー各々が「自発的に行動する組織。それによって「管理しなくても(組織として)成果が出る」というもの……。
前回、そんなお話をしました。
「自発的に行動する」
すなわち、誰に強制されるわけでなく、「やりたくて、やる」という状態ですね。
多くのリーダーは、この「やりたくて、やる」状態をつくるために、大きな勘違いをしてしまいます。
そう、「モチベーション」を高めようとするのです。
つまり、相手の内面へのアプローチです。
「仕事の素晴らしさを教える」
「やりがいを感じさせる」
「責任のある仕事を与えてみる」
……そんなことに注力してしまうのです。
言ってみれば「仕事を好きにさせる」という働きかけをするわけですね。
ところが、人の内面、気持ちを変えようとしても、それはとても難しいことです。
どんなにいい話を聞かせようとも、どんなに仕事上素敵な体験をさせようとも、それによって仕事が好きになるか、ならないかは、言ってみれば「相手次第」。こちらがコントロールできることではありません。
コントロールできるものといえば、それは「行動」です。
これは「管理」とはニュアンスが違います。行動しやすくする、行動の結果を望ましいものにする、そうした〝環境づくり〟をすることによって、相手(部下)は自発的に行動をするようになり、自分で考えるようになるのです。
(行動科学では「思考」も行動のひとつであると捉えられています。詳しくはまた別の機会にお話ししましょう)
管理することなく、自らが考え、自発的に行動する……。そのような人材は、必ず育成できます。
「残業しないで済むには、どのように仕事をすすめればいいのか?」
「効率的に作業をこなすには、どうすればいいのか?」
それをメンバー自らが考え、実行する組織……。
まさに理想だと思いませんか?