こんにちは、石田淳です。
「BBS」(Behavior Based Safety)=組織行動セーフティマネジメントについて
多くの反響をいただいています。
今回もこのマネジメント手法に関するお話を続けていきましょう。
「BBS」(Behavior Based Safety)
=組織行動セーフティマネジメントについて、
今回もさらにお話ししていきます。
前回のブログで
「具体的な行動が示されない〝意識〟や〝スローガン〟では、安全対策を図ることはできない」
というお話をしましたが、このことは、実に多くの組織で問題となっているものです。
現場の担当者たちも、
- 「事故に気をつけよう」
- 「安全を意識して作業すること」
- 「コンプライアンスの意識を高めよう」
などという言葉=〝意識〟〝スローガン〟だけでは、本当はうまくいかないだろうと感じている……。
にもかかわらず、そうした施策を続けている……。
その理由のひとつは、「では、どう行動すればいいのか」という知識=行動のレパートリーが無いからです。
「事故発生を防ぐためにはどのような行動を取ればいいか」
ということがわかっているのであれば、当然、その行動(つまり安全行動)を徹底周知させ、さらに習慣化することができれば、事故は発生しません。
ところが、行動がわからない。
なぜなら、マネジャーが
「現場での作業を観察し、行動を分解・計測する」
というプロセスを実行しないからです。
これでは、現場で作業する従業員に行動のレパートリーを与えることはできません。
結果、「○○を意識するように」と曖昧な指示になってしまうのです。
行動のレパートリーは、作業を観察し、行動を分解・計測することで得られます。
さらにその安全行動をチェックリストに落とし込み、それをまた計測する……という一連のしくみを通して
手に入れることができるでしょう。
私たちのBBSの研修でも、このしくみづくりを徹底して解説しています。
しかし……。
こうした取り組みを阻害するものがあります。
それは、日本のビジネス文化に顕著な「古い習慣の踏襲」というもの。
私はこれまで多くの著書やこのメルマガのなかで、
この「悪しき踏襲」の弊害について何度も言及してきました。
「これまでそうしてきて、上手くいっていたのだから、 今後もそうしよう」
「先人たちの培ってきたものを簡単に手放してはいけない」
そう考えるリーダー、マネジャーはとても多いものです。
しかし、
「これまでにそうしてきたこと」や
「先人たちの培ってきたこと」が、今の時代と合わなくなっていることにも注目すべきでしょう。
たとえば営業のスタイル、会議のあり方なども然りです。
「やり方を変えるのは後(の世代)でいい」
そんな悪しき官僚的な考えを改め、今、新しい習慣を始めなければなりません。
なぜ「今」なのか?もうおわかりですよね。
そう、事故や不祥事が起こってからではすべてが手遅れだからです。