こんにちは、石田淳です。
今は多くの企業が導入し成果を挙げている「行動科学マネジメント」にも、かつては疑問を抱くリーダー、マネジャーが多くいました。
しかし、時代の変化はとても急速です……。
私が行動科学マネジメントを体系化し、世の中に提唱しはじめたのは、今から14年ほど前のことです。
当初は、行動科学マネジメントの基本ともいえる
- 「部下の行動を観察する」
- 「行動を分解する」
- 「チェックリストをつくり、行動を計測する」
といったやり方に対して、疑問を抱くリーダー、マネジャーが多くいました。
- 「なんでそこまでしなきゃならないんですか?」
- 「できない人間は辞めさせるしかないでしょう?」
- 「それよりも新しい人材を探すことに力を入れたい」
というのが、彼ら彼女らの主張でした。
- 「できない人をできる人にする」
- 「今いる社員の底上げをする」
という発想すら希薄だったのです。
また、私が「トータルリワード」という金銭面以外に報酬となり得る要素(前回までのメルマガ参照)を紹介したのは、およそ10年前。
このときも多くのリーダー、マネジャーがこの概念をすぐには理解しませんでした。
- 「なんで仕事なのに部下を褒めなければならないのですか?」
- 「仕事は〝できて当たり前〟でしょう?」
- 「だって仕事なんだから」
そう言って、それまでのやり方を踏襲しようとしていました。
しかし今は……?
「できない人をできる人にする」ことは、人材不足のなか、各企業が取り組まなければならない大テーマです。
部下の行動を分解しチェックリストを活用することも、当たり前に行われています。
「部下を褒める」ことはリーダー、マネジャーにとって必須。
それがうまくできない人は「リーダー失格」とまで見られるように…。
働きやすい職場環境を考えることや社員の私生活を尊重することも、当然のことになっています。
たった10年ほどで、世の中は大きく様変わりします。
ビジネスの常識、マネジメントの常識も変わります。
その変化を事前に予測し、対策を準備している企業、あるいは個人が、ビジネスで生き残っていくわけです。
では、ビジネスの在り方、上司と部下、組織の在り方は
今後どのように変化するのか?
そのときに必要なスキルは何か?
これについて次回からお話ししていきたいと思います。