こんにちは、石田淳です。
「部下とのコミュニケーション」に悩むリーダー・マネジャーは大勢いることでしょう。
「人間関係」の問題は、ビジネス現場において非常に大きな問題です。
ただ、人間の行動原理を考えれば、こうした問題にも「解決策」「施策」が
見いだせるものです。
5月に発売された新刊
『仕事も部下の成長スピードも速くなる 1分ミーティング』(すばる舎)
が、早くも増刷決定となりました。
お読みいただいた皆様に感謝するとともに、ビジネス現場での「部下との接し方」について真摯に考える方がとても多いことを実感しています。
この本でも書かれているのですが、最近、多くの企業で顕著に見受けられる
マネジメントに関する問題があります。
それは、
「上司が部下を叱れない」
というもの。
「まさか?」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これが今、私たちの元にも数多く寄せられている現場の声なのです。
たとえば若い部下に注意をしようとしても、
相手に
「何すか?」
と冷たくあしらわれるのがイヤだから、声をかけたくない、という人もいます。
また、少し厳しめに注意をすれば、すぐに「パワハラ」と捉えられ、大企業であれば人事部、中小企業であれば経営陣に報告される……。
それが怖くて叱れない、というケースも
今はとても多くなっています。
「部下をどう叱ればいいのか?」
「どう接すればいいのか?」
に触れる前に、
そもそも、
部下を「叱る」ことの必要性を考えてみましょう。
なぜ部下を叱らなければならないか……。
それは
「部下の望ましくない行動、成果に結び着かない行動を
止めるため」
です。
当たり前のことに思われるかもしれませんが、じつはこの点を見落としている上司が案外多いものです。
そして、なぜ部下に望ましくない行動、成果に結び着かない行動を止めさせなければならないかといえば、それは
「部下に成果を挙げさせるため」
です。
これも当たり前のことのようですが、多くの上司が見落とす点でもあります。
「部下を変えたい」
「真剣に仕事をしてほしい」
「もっとやる気を出してほしい」
それは何のためかといえば、
すべて「成果を挙げるため」に他なりません。
(このことはこのメルマガでも何度かお話ししてきましたね)
このいわば「マネジメントの目的」を見誤り、部下の内面に踏み込む「人間教育」をしようとすれば、そこには軋轢が生じてしまうのです。