■ビジネスなどの社会的成功のカギは、
IQよりどちらかと言えばEQが重要。
つまり、能力云々の前に、
忍耐力などのセルフ・コントロールを
備えているかが大事である――これは、4歳児の
「マシュマロを食べずに我慢できる能力」を調べた
マシュマロ実験によるもの。
オックスフォード大学の心理学者であるウォルター・ミシェルが
実施したものです。
■具体的には、
4歳児たちを小さな部屋に招き、
マシュマロを前に置く。
「今、食べてもいいけれど、15分間待つことができたら
もうひとつマシュマロをあげる」
「途中で食べたくなったら、ベルを押せば食べられる
(もうひとつのマシュマロは無しになる)」
と伝え、実験者は部屋を出ます。
子ども時代の自制心と、
将来の社会的成果の関連性を調査した
実験です。
■子どもたちは、
自制心を働かせるために、
さまざまな工夫をしています。
たとえば、手で目を覆う子、
部屋の隅に立って見ないようにした子など、
マシュマロから注意を逸らそうとする
行動がみられました。
参加した4歳児のうち約25%が、
15分後まで「満足を遅延させること」
に成功したそうです。
■この実験から12年後、ミシェル氏は、
マシュマロ実験に参加した被験者約600名に対して、
アンケートを実施。
15分待てた子どもは、
30秒しか待てなかった子どもよりも、
SAT(大学進学適性試験)のスコアが
平均して210点高かったそう。
■EQが大事ということは、
なんとなくわかる気がしますよね。
僕のまわりでも、成功していると言われる人は、
セルフ・コントロールや忍耐力、
継続する力が半端ない人がほとんどですから。
でもこれが4歳の時点でわかってしまうのが驚きです。
■さて、マシュマロを15分待てた子どもたちは、
根性でガマンしたというより、
自分を上手にコントロールして、
「満足を遅延させること」に成功しました。
「今日は寒いから走るのをやめようかな……」
「禁煙してるけれど、1本くらいいいか……」
セルフマネジメントで、
ちょっと挫けそうになったときに、
「満足を遅延させる」ために工夫した
子どもたちのマシュマロ実験を
思い出してみてください。
「じゃあ、30分はやらないけれど15分はやろう」
「いやいや、アメ・ガムにしよう」
となり、継続する力が途切れず、
セルフマネジメントが強化できますよ。
P.S.
来年1月7日に発売予定の白戸太朗さんと共著の新刊
『挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術』(清流出版)
の特設ページが公開になりました。
興味深いアンケート調査結果なども掲載しています。
ぜひ、のぞいてみてください!