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中外製薬工業株式会社様

サンキューカードを用いて「感謝と認知」を強化。トータル・リワードにより、感謝の気持ちを伝える心を養う。

同社は、2006年に設立された抗体医薬をはじめとするバイオ医薬品や高活性製剤など合成医薬品の生産分野で世界をリードする技術集団企業である。

しかし、ここ数年マネジメントで悩みを抱えていた。それは、従業員の年代層の歪みである。採用計画の諸事情により、二十代と四十代の社員が多く、三十代が少ない。大量採用した若い世代と彼らに仕事を教える四十代の社員との間にコミュニケーションギャップがあった。また従業員の形態も本社の中外製薬からの出向、正社員、契約社員、パートなどさまざまで複雑な雇用形態もマネジメントを困難にしている要因のひとつであった。

そこで社内のコミュニケーション満足度について大掛かりな調査を行った。30項目に及ぶ質問に対する集計結果を眺めてみると、社内コミュニケーションに問題があり、従業員満足度が低いことが明らかになった。上司からの認知・承認や職場環境、人間関係などを中心に多くの従業員が何らかの不満を持っていた。一方で「休暇の取得」「安全性への意識」「職場環境への配慮」など基本的な要件に関しては不満はなく、会社のミッションや仕事そのものに対しては満足度は低くない。

この問題点を解決するために、行動科学マネジメントを取り入れ、トータル・リワードを活用することで、従業員満足度をあげて社内の活性化をはかる試みが実施された。トータル・リワードの「非金銭的な報酬」の中から特に「感謝と認知」の強化に取り組んだ。幾度かの検討を重ねて取り組んだのは「サンキューカード」の全社展開した。何らかの行動に対して、どんな小さいことであっても、そこに感謝の気持ちを盛ったならば、感謝の言葉を書いて相手に渡すというものである。しかも上からの押し付けでなく、幹部社員を除く従業員で構成された「社員会」が中心となって行った。

同社で取り入れられた「サンキューカード」の仕組みを簡単に説明する。まず一人の従業員が感謝を伝えたい相手に「サンキューカード」を手渡すと、手渡した側も受け取った側も「トレースカード」に一点加算される。つまり人から感謝される行動をするだけでなく、人に感謝する行動の重要性も意識している。実施しながら従業員の意見を聞きながら何度も試行錯誤を重ねている。

こうした仕組みは、継続して企業文化として根付かせてこそ効果が大きい。この仕組みを継続させるために「チームメンバーへ感謝の気持ちを伝えよう!」「上司や先輩に感謝の気持ちを伝えよう!」などのスローガンを掲げたキャンペーンを計画している。

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