こんにちは。石田淳です。
ビジネスの現場には「それって、具体的にどういうことですか?」と聞きたくなるような発言が溢れているものです。
たとえば企画会議などでよくある
「切り口が新しくない…」
「方向性としては…」
なんていう言葉。
切り口って何? 方向性ってどういうことでしょう?
本人は納得していたとしても、それを聞いた周りの人は、もっと具体的な指摘が欲しいはずです。
また、上司の悩みとしてよくある「部下とのコミュニケーションがうまくいかない」という言葉。
具体的なようでいて、実際はコミュニケーションの何に悩んでいるのかが明確になっていない場合が多いものです。
行動科学マネジメントがこうした曖昧さを排除するものであることはすでにご承知のことかと思います。しかしここで上司が「物事は具体的に伝えよう」と指示を出すだけでは、これまた曖昧な言い方になってしまいます。
たとえば数字で示す、日時を明確にする、対象を特定するなど、具体化のルールも定めておく必要があるのです。
曖昧な言葉は、指示を出す側に限ったことではありません。
最近の若者が仕事選びの際に大きな基準とするものは「(職場の)人間関係」だといいます。
この「人間関係」というワードもまた、人によってさまざまな解釈ができてしまうもの。
人間関係とは、何を指すのか?
その先にある具体的なファクターに目を向けなければ、若者たちが求めるものも見えてはきません。
そして、曖昧な言葉を使う習慣は時としてビジネス現場でのミスや事故を引き起こすことにもなります。
新刊『無くならないミスの無くし方 ~成果を挙げる行動変容~』では、こうした問題についても詳しくお話ししています。
ビジネス現場は曖昧さで溢れている。
リーダー・マネジャーはこのことを強く自覚すべきでしょう。