こんにちは。石田淳です。
先日、京セラ株式会社の谷本秀夫社長と同社で今期実施予定の研修に先立ち、社内報企画で対談をさせていただきました。
テーマとなったのは「風通しの良い職場」。
突然ですが、あなたは「風通しの良い職場」と聞いて、どんな職場を想像するでしょう?
「風通しの良い職場」
「風通しの良い組織」
…ビジネスの世界ではよく聞かれる言葉ですよね。
しかし多くの場合、この言葉は具体性のない、単なる〝スローガン〟で終わっているものです。
社内での上司・部下のコミュニケーションが活発に行われ、何でも話せる雰囲気がある、といった感じでしょうか。
行動科学マネジメントでは、「風通しの良さ」をより明確にします。
「(メンバーが)自身の考えやアイデアを負担感なく報告・相談しやすい職場」
これが私たちの言う「風通しの良い職場」です。
そしてこのことは、規模の大小にかかわらず、これからの企業にとって、企業の存続にかかわるほど重要なこととなります。
なせか?
端的にいえば、風通しの良さがなければ、企業が〝時代に合ったかたちで〟変わることができないからです。
「イノベーションが必要」
「このままでは時代の変化に取り残される」
そう考えるトップは大勢いることでしょう。
そして「イノベーションを起こしてくれるような人材」を熱望します。
その一方で、日本のビジネス界はこれまで先人の培ってきたやり方を「踏襲」することを尊重する傾向が強く感じられます。
「急にやり方を変えることはできない」
「いままでこのやり方でうまくいってきたのだから」
そう考え、従来どおりのビジネス、あるいは組織のあり方に固執してしまうわけです。
そのため、メンバー一人ひとりの自発性を無意識に摘み取ってしまう。何気ないアイデアに対しても「そんな前例はない」と否定してしまう。報告や相談に対しても、「変化」につながることには前向きになれない。
そう、「イノベーションが必要」と考えるならば、イノベーションを起こしてくれるような人材を期待する以前に、「イノベーションを起こせる〝環境〟」を作らなければならないのです。
その環境というのがつまり、
「(メンバーが)自身の考えやアイデアを負担感なく報告・相談しやすい職場」
ということ。
では、この環境は誰が作るのか?
もちろん、職場のリーダー・マネジャーです。
リーダー・マネジャーの日々のマネジメント、メンバーへの対応が、すなわち職場の環境です。チームメンバーが安心して自分の意見を伝えることができる心理的安全性のある状態をつくりことができなければ、組織はいつまでも変わることができません。
リーダー・マネジャーのマネジメントもいつまでも「従来どおりでいい」わけではないのです。
「風通しの良い職場」を作るために、リーダー・マネジャーができることを考えてみましょう。