「石田先生、最近の若手は、なんであんなに常識がないんですかね?」
「連絡はスマホのメールで済ませようとする…。まったく常識知らずですよ」
ある企業で、マネジャーのそんな嘆きを聞きました。
しかし、行動科学マネジメント的にいえば、
相手の「常識」に期待したり、
ましてや「常識で考えればわかるだろ」という姿勢は、完全にタブーです。
「常識で考えればわかるはず」
「常識は持っていて当たり前」
これを前提としたマネジメントは、厳しい言い方をすれば、マネジメントの放棄です。
常識は人によって、バックボーンによって違うもの。
10人のスタップがいれば、10通りの常識があると考えるべきです。
また、常識は時代とともに変わるものです。
たとえば私が若手ビジネスマンの頃は、「新聞を読んで世の中の情報を得る」ということが〝できる〟ビジネスパーソンの「常識」でした。
今はどうでしょう?
世の中のニュースはネット=スマホで手に入ります。
満員の通勤電車の中で、必死になって日経新聞を読んでいる…。
そんな人がいるのが当たり前の光景だったものが、今や、電車の中で新聞を読んでいる人など、滅多にお目にかかれません。
「スマホはよくない」
「新聞を読むべし」
「挨拶を欠かすな」
「連絡は電話で」
それは自分にとっては常識かもしれませんが、相手にとって常識であるとは限らないのです。
私は別に「すべてを相手の常識に合わせるべき」
といっているだけではありません。
ただ、明確にルール化されていないことを「(相手の)常識にまかせる」では、何の解決にもならないということを知っておくべきです。