政府が推進する「働き方改革」によって、「生産性(の向上)」という言葉がビジネス界に浸透しました。
そもそも「生産性が高い」こととは、少ないインプットで大きなアウトプットを生む、ということです。
労力や時間、あるいは賃金などのインプットが少なく、それでいて製品・サービスづくりや利益が向上することが、すなわち「生産性の向上」になります。
しかし、この「少ないインプット」のことを、あくまでも「無駄をなくす」「時間をかけない」こととのみ捉え、「とにかく作業を早く終わらせる」と考える人もいます。
「働き方改革」といえばすなわち「労働時間の短縮」というイメージが先行した結果でしょう。
企業が従業員の労働時間を見直し、〝時短〟
「作業が遅れるとマズいから」という理由で、ごく基本的な工程を飛ばしてしまう。
物流などでは「約束の時間に遅れが出ては困るから」と、安全確認をおろそかにした運行をしてしまう…。
これらが後に「大事故」につながる因子となることは、誰にでも想像がつくことです。
「生産性の向上」と「安全性の確保」は、必ずセットで考えなければなりません。
そしてそれは、
「必ず安全を意識すること」などという曖昧な呼びかけで済むほど簡単ではないのです。
「安全性を確保するための〝仕組み〟があるか?」
まずはここに着目しなければ、生産性を向上させようとする取り組みも、逆にあなたの企業に災いをもたらすことになるかもしれません。