こんにちは、石田淳です。
「ヒヤリ・ハット」という言葉はご存じでしょうか。
文字どおり、作業において「ヒヤリ」としたり「ハッとしたり」という小さな事象のことです。
たとえば工場作業において工具を〝落としそうになった〟。車両の運転の業務においてブレーキが遅れてヒヤっとした。
大きな事故とは言えない、日常でよく発生するミスは多々あります。
そしてこうした小さなミスこそが重大な事故の背景にある、ということがアメリカの損保会社の技師・ハインリッヒが発表した「ハインリッヒの法則」でも明かされています。
「どんな小さなミスでも(それが大きな過失につながる可能性があるから)すぐに報告するように」
ハインリッヒの法則を踏まえ、職場の安全への取り組みとして「『ヒヤリ・ハット』の報告」を徹底させようとする企業が多いものです。
しかし、マネジャーの思いに反し、ヒヤリ・ハットの報告が全然上がってこない、という職場も多いのです。
その理由は、行動科学的にいえば「(ヒヤリ・ハットの報告という)行動の結果にメリットを感じられないから」です。
「どんなことでも報告を」としているにもかかわらず、ミスの報告をしたらその場で叱責される……。
こうしたことの積み重ねによって、部下は「報告してもデメリットが待っているだけ」ということを学習してしまいます。
結果、職場には「報告をしない=責任回避の文化」が出来上がってしまうのです。
たとえ「ヒヤリ・ハットを報告することは評価の対象となる」と明言していたとしても、それが会社側の建前になっている、というケースも多々あります。
先ほど「(責任回避の)文化」という言葉を遣いましたが、BBSの目指すところは、言ってみれば「文化作り」「風土作り」です。
「何でも報告することが称賛に値するという文化」
それを職場に作り上げることが、この安全管理マネジメントの真骨頂なのです。
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■石田淳 著作紹介62
『まんがでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』
かんき出版 2015年刊
『教える技術』まんが版の続編はチームマネジメントにフォーカスしたもの。チームを活性化し、成果を上げる。チームリーダーに課せられた役目を果たすためのシンプルかつ効果的なノウハウをわかりやすく紹介します。