こんにちは、石田淳です。
ChatGPTをはじめとする「生成AI」。
今や広く普及し、仕事で活用している人もかなり多くいるのではないでしょうか。
「PCやスマートフォンがなければ仕事にならない」
現在はそんなことも当たり前に言われる時代。
IT技術の進歩によって仕事のやり方もすぐに変わる、ということを私たちは経験済みです。
「AIをツールとしなければ仕事にならない」そんな社会もすぐに訪れるかもしれません。
「質問を入力するという行動後、すぐに回答が出て問題解決に導いてくれる」
行動科学的に言っても「行動のハードル」が非常に低いものです。
そしてその行動の結果が「望ましいもの」であれば…。それは「習慣」として根付きます。
今後、AIが私たちの生活に習慣としてますます入ってくることは自然の流れでしょう。
ただ、当たり前のことかもしれませんがAIはあくまでも「ツール」です。
ビジネスの現場において、人と人との信頼関係を築くのは、やはり「人」にしかできないことでしょう。
実はここにこそ、〝生身の人間〟である上司・マネジャーの力量が問われます。
たとえばビジネスの現場でよくある「ほめる・叱る」の問題。
「望ましい行動を称賛(ほめる)ことによって、その行動の『結果』を望ましいものにする」
これは行動科学マネジメントの基本ですが、書籍『教える技術』でも言及したように、ここで重要なのは「何と言ってほめるか?」ではなく「誰がほめるか?」ということ。
「信頼関係が構築された相手」からほめられることで、その(行動を継続する)効果は確かなものになるわけです。
「自分がほめるより、AIがほめたほうが相手は行動を継続する」
意地悪な言い方になるかもしれませんが、まさかそんなことにはなっていないでしょうか?
「部下との信頼関係の構築」
これはどんなツールにも頼ることのできない上司・マネジャーの大切な仕事です。
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■石田淳 著作紹介45
『無くならないミスの無くし方 成果を上げる行動変容』日経BP 2021年刊
「職場からミス・事故を無くす」。そのための行動科学的アプローチである「BBS」(Behavior Based Safety)の実践法を紹介した一冊。豊富な事例によって安全マネジメントの基本がよくわかります。