こんにちは、石田淳です。
前回お話ししたように、研修やセミナー、講演会などで現場で活躍するリーダー、マネジャーの声を直接聞くなかで、とても多いテーマが「人手不足問題」です。
「働き手がいない」
「若い人材がなかなか採用できない。定着しない」
企業側のこうした悩みははっきり言って〝あらゆる業界〟に共通するものです。
「人がいない」
これはどんな手を尽くしても解消されるものではありません。
「人がいない」「人を採るのは難しい」
今の企業は、これを大前提として企業活動を行っていくことが運命なわけです。
こうした問題に対する行動科学マネジメントの答えが「今居る人材の底上げ」ということになります。
「普通の人材をハイパフォーマーに変える」
そのための施策作り(教育・育成の仕組み作り)こそ、今のマネジャーに強く求められていることでしょう。
そしてこれとは別にもう一つ、現場の声としてよく聞かれる話題があります。
それは「AIの活用」について。
今注目の生成AI。これを現場の仕事で活用して仕事の効率化を図ろうとする思案が、これもまた業界を問わずよく見受けられます。
私たちももちろんAIには注目しており、業務にもさまざまな局面で積極的に取り入れている最中です。
では、こと「マネジメント」においては、AIはどのように作用するでしょうか?
あえて抽象的な言い方をすれば、AIの効力は、「時間短縮」にあります。
たとえば担当者が一人で企画書を作る場合、これまでは1日がかりでおこなっていた企画書作りが、AIにある程度の叩き台を作らせることで半日、あるいはもっと短い時間で作成できる、など。
これは効率化を考えた際には、非常に大きな恩恵といえます。
「仕事を抱え込み過ぎ」というプレイングマネジャー問題も、AIの発達によって解消される部分が多々あるのではないでしょうか。
反面、AIでは「まかないきれない作業」というものもありますね。
マネジャーにとってのそれは、やはりメンバーとの「信頼関係作り」でしょう。
次回、さらに詳しくお話ししたいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■石田淳 著作紹介33
メンバー1人ひとりの育成のみならず「チーム」「組織」の全体を伸ばすことに焦点を当てた、ベストセラー『教える技術』の続編。「上司」という立場により言及したもので、そのポイントには「ズバ抜けた能力」や「カリスマ性」「人徳」といったものは関係しません。初めて部下を持った人には特にオススメの一冊です。