こんにちは。石田淳です。
前回紹介した「日経ビジネスオンライン」記事、「上司が自分のタスクを8割『捨てる』ことでチームの成果は上がる」が、おかげさまで人気記事ランキング1位になりました。
タスクを抱えすぎてマネジャーとしての仕事になかなか集中できない。その結果、大切な「部下に成果を出させる」という役割をまっとうできずに悩んでいる上司(マネジャー)層は本当にたくさんいます。
また、部下育成の必要性に気づいていながらも「とにかくまず(組織としての)実績を」と、困難と思われる仕事は部下に任せず、自分でやってしまう……という人も多いことでしょう。
当然このことがまた、自らの忙しさをさらに招き、自分で自分の首を絞めることになるのですが……。
さらに、そもそも「人に教えることは苦手」という人も案外多いものです。
「プレーヤーの技術とマネジャーの技術はまったくの別物」
自分の仕事を捨てる、ということは同時に「人に物事を教える」という技術を身につける必要があることです。
そして、これは一概に言えることではありませんが、若い世代のビジネスパーソンは私たちが思う以上に『自らの成長』を望んでいるものです。
「この会社(組織)にいれば、自分はもっと成長できる!」
「もっと経験を積んで、成長したい!」
そう考える若い世代に対して「自分でやったほうがラクだから」などという思いから自らのタスクを手放さない……。当たり前のことですが、これはマネジャーとしてやってはいけないこと。
しかし、こうした状況もまた、ビジネスの現場によくある現実なのです。
「教える技術」を身につけて部下の〝成長欲求〟に上手に答えて成果を出させてあげる。
組織にとって本当に必要なのは、そうした上司の存在ではないでしょうか?
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■石田淳 著作紹介18
『「辞めさせない」マネジメント』PHPビジネス新書 2015年刊
人口減少時代の今、若手人材の流出を防ぎ「今居る人材」の底上げを図ることで成果を出す「定着のための仕組みづくり」を提唱した一冊。普遍性を持つ行動科学の理論は、もちろんどんな時代、どんな社会背景においても使えるものです。