こんにちは。石田淳です。
前回、「自分から声をかけることをしない上司」のお話をしたところ、「自分の職場にもそういう風潮があった」といった感想を多数いただきました。
「若い新入社員が積極的に絡んでこない」
「何か相談事があっても抱え込んでいる」
「話をしていても声が小さい」
「挨拶をしない」
などなど、今の若い世代に対して年輩のビジネスパーソンが不満に思っていることは多々あるようです。
しかし、多くの人が重要な事実を見逃しているように感じます。
それは「若い人は、こちらを見ている」ということ。
「近頃の若い世代は……」と年輩社員が嘆くように、相手も「近頃の年輩社員は……」と、ベテランの行動を見てさまざまな感想を持っているわけです。
つまり、悪い意味で「上司の背中を見て育つ」ということ。
「挨拶をしない」
「積極的に会話をしない」
新しい職場に緊張を持っている若手社員。
それなのに「話しかけるのは部下から」と上司が勝手な常識を持っているなら、状況はいつまで経ってもそのままです。
別に口うるさく、しつこくするわけではありません。
1日1分でもいいので、相手に何か困り事はないか?何かでつまずいていないかを確認する。
そうして「自分のほうからアプローチする」ことによって、相手は「どんな行動が望ましいのか」を学習していくでしょう。
当然これは「社員と打ち解けよう」「好かれよう」という精神的な話ではありません。
「職場コミュニケーションは接触の頻度が大切」という考えのもとの科学的なマネジメント手法なのです。
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■石田淳 著作紹介⑨
ベストセラーシリーズの第三弾である本書は、外国人をはじめとした「コミュニケーションが難しい」人材へのマネジメント手法を紹介したもの。文化や言語、価値観などの相違から生まれるマネジメントのトラブルを未然に防ぐ工夫を解説しています。