こんにちは。石田淳です。
ビジネスにおける部下マネジメントについて頻繁にいただく質問……。
そのひとつが「部下のモチベーションを高めるにはどうしたらいいでしょう?」というものです。
「もっと部下にやる気を出してもらうには、どんな言葉をかければいいですかね?」
「モチベーションアップのためのいい研修とかって、ありませんかね?」
そんな声は、本当によく聞きます。
このメルマガや私の書籍をずっとお読みいただいている方なら、もうおわかりかもしれませんが、「(相手の)モチベーションを高めようとする」という取り組みは、行動科学マネジメントとしては正しいものではありません。
人の内面にアプローチし、変えようと試みてもそれは極めて困難なことです。
「モチベーション」
「やる気」
「仕事への姿勢」
「自覚」
「意識」
変えようとしなければならないのは、そうした部下の内面ではありません。
変えるべきはずばり「行動」です。
行動変容を促す仕組みをつくり実行することこそがマネジャーの仕事であり、モチベーションややる気は
行動変容の結果として表われるものです。
・マネジャーの役割とは、部下に成果を挙げてもらうこと
これも何度もお話ししていることですね。
部下が成果を挙げられるようになる、つまりハイパフォーマーになるには自ら進んで仕事に取り組む=行動自発率が高くなる、ということが必須です。
そう考えれば、「部下のモチベーションを高めたい」というマネジャーの思い自体はけっして間違いではありません。
問題は「そこで何を変えようとするか」。
そもそも何をもって「モチベーションが高くなった」「やる気が出た」と判断できるのでしょうか?
そう、もしそれらを計るとしたら「行動の数(量)」ということになります。
「望ましい行動が増えているか?」
「望ましくない行動が減少しているか?」
上司が部下の何を見なければならないかといえば結局のところ、これらに尽きるのです。
「モチベーション」「やる気」……。
目に見えないものをあれこれいじろうとせずに、まずは相手の行動変容に取り組んでください。