こんにちは、石田淳です。
「部下に負担をかけない」
「仕事量を少なくする」
数少ない貴重な若手人材の流出、つまり「すぐに辞めてしまう」ことを防ぐため、このような選択をしている企業が多いようです。
「ブラック企業」の逆、「ホワイト企業」であることを徹底するわけですね。
もちろんブラックはもってのほか、働き手を慮るホワイト企業は決して悪いことではありません。
しかし近年、これが行きすぎているという状況も見られるのです。
今では「ホワハラ」(ホワイトハラスメント)なんて言葉もネットで見かけるようになりました。
「仕事を与えない」「過剰に甘やかす」ことは、立派な「ハラスメント」となるのです。
では、上司が仕事を与えなければ、仕事を教えようとせずに上司が自らやってしまったら、部下はどう感じるのか?
そう、「成長させてもらえない」と捉える人も多いのです。
「人間には成長したいという欲求がある」
心理学でよく言われる「成長欲求」ですね。
仕事をさせない、仕事を教えない。すなわち「成長させない」ということです。
「人にとっての報酬は『金銭的報酬』に限ったことではなく、さまざまなかたちがある」
行動科学マネジメントはこの考えに則って相手の動機付けを見つけます。その中には「成長できる」という報酬もあるわけです。
「ああ、この会社にいても仕事のできる人間にはなれないなあ」
「いつまで経っても今と同じなんだろうな」
「このままじゃダメだ。もっと自分を磨かなければ」
そうして新たな成長機会を求めて会社を辞めてしまう……。
上司が「良かれ」と思っている気遣いも実は部下にとっては「仕事を奪われた!」「成長の機会を潰された!」と感じることかもしれないのです。
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■石田淳 著作紹介43
前述のように、部下に負担を与えないことが成長の機会を奪うことにつながるとはいえ、では単にガミガミ厳しく指導すればいいかといえばもちろんそれも違います。本書では、部下から疎まれることなく効率的に成長を促す指導法をわかりやすく紹介しています。