こんにちは、石田淳です。
ChatGPT、Copilotなど実際に生成AIを使用したことのある人なら、その利便性、〝頭の良さ〟に驚いたはずです。特にITに詳しくはない人ならば尚更でしょう。
私の知り合いの編集者も「簡単な企画構成案をあっという間に作成して、仕事の取りかかりでとっても助かりました!」と、興奮気味に話していたものです。
もちろん生成AIが出した「答え」をそのままのかたちで自身の成果物とするのは、いささか難しいでしょう。
しかし、「効率化」という観点からすれば、すでにAIからの恩恵は非常に大きなもので、これを活用しないという理由はありません。
ただし、忘れてはならない大前提は、AIを使うのは人間だ、ということです。
当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、組織を構成するのは人間です。
ビジネスの方向性を定め、モノを作り出し、実際に業績を挙げて組織としての活動を続けるのもリーダー以下、その組織が抱える「人材」なわけです。
「AIをどう活用するか?」
もちろんそれはあらゆる組織、あらゆるビジネスパーソンが早急に考えるべき課題です。
しかし、AIのみにフォーカスを当てることはマネジメントとしてはNGです。
「結果は、行動の積み重ね」
行動科学的にそう考えるのならば、まず着目すべきは、人間の『行動』。
マネジャーの仕事は、シンプルに言ってしまえば、人材の行動を「(成果に結びつく)望ましい行動」に変え、その行動を継続させることです。
これはどんな環境、どんな時代背景においても変わることはありません。
AIを仕事に導入するのであれば、「AIを使うことで成果を出している人材は、どのような『行動』をしているのか」を観察し、分解して他の人材に伝えるという作業が不可欠です。
「AIに任せておけば大丈夫」ではなく、マネジャーはそのAIの「使い手」の行動にフォーカスすることを忘れてはなりません。
次回は、AI時代にこそ不可欠の「信頼関係構築」について触れたいと思います。
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■石田淳 著作紹介34
外国人をはじめとした「異文化の人材」のマネジメントを紹介した一冊。「自分とは異なる文化、異なる常識」という観点からすれば、若年層へのマネジメントも当てはまりますね。ポイントは、言語や文化を理解することではなく「誰にでも分かりやすく伝える」ということ。そのためのさまざまな方法を紹介しています。