こんにちは。石田淳です。
「せっかくいい習慣を始めようとしたのに、ウチの社員は全然やらないんだ」
そう嘆く中小企業経営者の声を聞きました。
社長が「これはイイぞ!」と考えて「これからはこういう習慣を始めることにしたので!」と宣言しても、誰も追随しない。
あるいは最初のうちは皆意気揚々と取り組んだのに、いつのまにか誰もやらなくなり、やがて忘れ去られてしまう習慣……。
これはよくある話なのです。
なぜ、やらないか? なぜ、続かないか?
行動科学に当てはめてみれば、答えは明確です。
「人が行動を起こし、継続するメカニズム」
このことはメルマガでも何度も繰り返しお話ししています。
先行条件(A)があり、そのために行動(B)を起こし、行動の結果(C)がメリットのあるものであれば、人は行動を繰り返す。行動科学でいう「ABCモデル」です。
新習慣を根付かせるには、まずこのABCの一つひとつを考えてみるべきです。
A:その習慣を始める目的は何か?
「なぜそんなことを始めなければならないのか?」
「社長は何を意図しているのか?」
口には出さないにせよ、社員はそのように考えるものです。習慣を根付かせる目的を明確にしているでしょうか?
B:どんな行動をすればいいのか?
「一生懸命取り組むようにしよう!」
そんなスローガン言葉を遣ってはいないでしょうか?続けるべき行動を具体的な言葉で言語化しなければ、「やっているつもり」が横行するだけです。
C:行動の結果はメリットのあるものか?
「これが習慣になれば、社内が活性化する」
こんな言葉もまた、スローガン言葉です。行動を継続させるためには、あくまでも「取った行動の結果」に着目しなければなりません。
さて、こうしたメカニズムのなかで実は多くの人が見逃しがちな要素があります。
それはBの「行動」そのもの。
次回、実際の例をお話ししたいと思います。
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■石田淳 著作紹介27
『8割の「できない人」が「できる人」に変わる! 行動科学マネジメント入門』ダイヤモンド社 2013年刊
深刻な人材不足のビジネス界において、企業が生き残っていくために最も大切なのはいかにして「自社の社員をハイパフォーマーに育て上げるか」という課題を解決すること。行動科学マネジメントの基礎が書かれた本書はそのわかりやすい手引きとしておすすめです。