こんにちは。石田淳です。
「失敗は成功のもと」
そんな言葉があります。
失敗体験から様々な学びを得て後の成功への糧とする。失敗を恐れて行動を起こさないままでは、成功を手にすることはできない。
そのような意味でよく遣われるのでしょうが、行動科学マネジメント®における目標達成メソッドでは、「失敗は成功のもと」は、NGなアプローチです。
「とにかくやり始めることが大事!」
「当たって砕けろ!」
とばかりに、いきなり大きなハードルに挑む。
当然のことながら、失敗、挫折を経験することが多いでしょう。
するとどうなるか?
これもまた当然のことながら、自信を失うわけです。
「どうせやっても無駄」
「また失敗するのだろう」
そんなネガティブな思いが先行し、行動を継続することができなくなります。
「そんなことはないさ。気合いでがんばろう!」
「もっとやる気さえあれば、次はうまくいく」
「何でもいいから続けることが大事なんだ」
そのような〝精神力〟でなんとかしようとするアプローチが結局はうまくいかないということは、多くの人が経験値として持っているはずです。
自分の目標達成に関してもそうですし、そして部下を育成し、成果を出してもらうためのビジネスマネジメントにおいても「やる気やがんばりではどうしようもない」ことはおわかりだと思います。
「失敗を繰り返して人は成長する」
たしかにそういうこともあるでしょうが、それはすべての人に通用するものではありません。
「失敗を繰り返して、人は行動の継続を止めてしまう」これも真実なのです。
人材育成におけるリーダー、マネジャーの役割は単に相手に「経験を積ませる」「機会を与える」ことではなく、いかに「その行動に望ましい結果を与えるか」だということを忘れないでください。
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■石田淳 著作紹介26
『挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術。』石田淳・白戸太朗著 清流出版 2013年刊
スポーツナビゲーター・白戸太朗氏との「挫折しない力」を科学的に解説した共著。「くじけない」「逆境に負けない」は精神論ではなく科学的なセルフマネジメントスキルにポイントがあることがよくわかる一冊です。