こんにちは。石田淳です。
日経ビジネスオンラインに掲載された私の「上司を疲弊させる『この仕事は私にしかできないという勘違い」という記事が、月間ブックマーク数ランキングで1位になっていました。
私が講座を持たせていただいている日経主催の「課長塾」でも最近とくに感じていることですが、「仕事を抱え込み過ぎてヘトヘト」になっている上司が実に多く見られます。
「人材不足の今、部下に無理を言って辞められたら困る」
「人に仕事を教えるよりも自分でやったほうがスムーズで効率的」
そういう考えから、上司が仕事を抱え込んでしまうケースが多いようですが、あらためて言うまでもなく、上司が仕事を部下に振らない限り部下は仕事を上達させる機会、成長の機会を逸してしまうことになります。
「部下を育てることができない」
会社からこうした評価を下されることにもなるでしょう。
また、仕事を抱え込みすぎて体調やメンタルを崩してしまう、というケースもよく聞くものです。これは本当に身もフタもない状態ですよね。
・部下が育たない
・ゆくゆくは自身が仕事を続けられない
「この仕事は私にしかできない」
「だから自分でやるんだ」
そう考えている上司は、一刻も早く自分の仕事をリリースする必要があります。
まずは自分が今、行っている仕事をすべてリストアップして検証してみること。
「自分がやらなくてもいい仕事」
行動科学マネジメントでいう「劣後順位」で上位に来るものは、すすんで部下に任せましょう。
こうしたいわばセルフマネジメント的な作業もこれからの上司には必要です。
「自分の仕事の勘所を部下に伝えることが面倒」
「どうせ自分じゃないとうまくできないんだ」
そう考えている人は、部下に仕事を任せる際にできるかぎり自分の行動を分解して、具体的な言葉で伝えるよう心掛けてみてください。
部下の成長のため、そして自分自身が長く働いていくために、仕事のリリースをはじめましょう。
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■石田淳 著作紹介24
『行動科学で人生がみるみる変わる! 「結果」が出る習慣術』角川マガジンズ 2013年刊
行動科学マネジメントの根幹ともいえる「行動変容」「習慣化」をビジネス、プライベートのさまざまな場面で成功させるための基本概念を紹介した一冊。「新習慣を身につける」という多くの人のニーズに科学的手法で応えます。