こんにちは。石田淳です。
「4月に入社してきた新卒社員が(エージェントを使って)すぐに辞めてしまうという現象が続出」
今月、そんな話題がメディアを賑わせました。
「今の20代はストレス耐性が低い」
「今は売り手市場。働き口はいくらでもある」
そんな時代背景もあるにせよ、若い人材が「突然辞めてしまう」ということは、以前からマネジャー層の頭を悩ませていました。
今からおよそ10年前に発行した拙著『辞めさせないマネジメント』(PHP新書)でもこの問題について触れています。
ここで注目しなければならないのは、辞め方が「突然」である、ということです。
「部下との意思疎通はできている」
「部下の気持ちは把握している」
そう思い込んでいる上司は大勢いるものです。
しかしこれもまた、文字どおり単なる思い込み、「認知のゆがみ」である場合が多いものです。
「先日、仲良く飲みに行って、これからの仕事について熱く語ったばかり。なのに〝突然〟、エージェントを通して退職の意向を伝えられた」
そう嘆く上司……。
なぜ、今の若者はすぐに辞めてしまうのか?
「辞めさせない」ために何をすればいいのか?
ここではそのことについて深くは触れませんが、リーダー、マネジャーが覚えておきたいのは、「若者は、何の前触れもなく、突然辞める」というその事実です。
「俺たちの時代は、そんなことは許されなかった」
「常識的に考えて、それは失礼なことだろう」
「せめて3年くらいは仕事を続けるべきだろう」
自分の時代はこうだった。
常識的にはこうだ。
仕事とはこうあるべきだ。
残念ながら、こうした考えは相手にとっては関係のないことです。
「昨日はやる気がありそうだったのに、今日急に、退職すると言い出した」
こうしたことは今、普通に起こりうるのだということを
まずは強く自覚しておきましょう。