こんにちは。石田淳です。
能登半島地震をはじめとして、今年は年頭から大きな出来事が相次ぎました。
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
1日も早い復興をお祈りいたします。
今回は、行動科学マネジメントをベースとした安全マネジメント「「BBS」(Behavior Based Safety)の見地から、2日に羽田空港で発生した航空機衝突事故についてお話ししたいと思います。
大変痛ましい事故でありましたが、本件にかかわらず、こうした大事故が起こった際、マスコミで取り沙汰されるのは、
「事故の原因は何だったのか?」
「なぜあんなことが起こったのか?」
「いったい誰がミスを犯したのか?」
といったことでしょう。
事故原因の追求は必要なことですが、BBSにおいては、より重視するのは「(事故を学びとした)新たな『仕組みづくり』」です。
「ヒューマンエラーは決してゼロにはならない」
これはBBSの基本的な考え方です。
したがって、「誰のせいか?」「誰のミスだったのか?」といった〝犯人捜し〟に注力することは今後の事故防止に関してはあまり役に立たないわけです。
「安全行動を取り、それを習慣化する」
これがBBSのアプローチですから、発生した事故はそうした「安全行動を取るための」学びと捉え、一刻も早く「安全行動を取る仕組み」を構築することこそが、事故防止の最善策だと考えます。
これは事故の規模、組織の規模を問わず、どんなケースにも当てはまるのではないでしょうか。
「誰が悪かったのか?」
「(ミスや事故の)原因を作ったのは誰か?」
言い方は悪いかもしれませんが、このように個人を責め立て責任を取らせることで満足している組織は多々あります。
何か事故があった際にはそれを学びとして新たな仕組みが出来上がる…。
それが本当のセーフティマネジメントだと思います。