こんにちは。石田淳です。
前回、行動科学マネジメントにおける「経営理念」の役割についてお話ししました。
経営理念、企業理念は単なる「スローガン」に止まらせるものではなく、あくまでも社員の「行動」が伴わなければならない、というわけです。
経営理念は中小企業にとってもとても大切なもので、いわば「経営者の頭の中」を表わすものです。顧客はもちろん、自社の社員に対しても大きな影響を及ぼすものです。
経営理念づくり、それは経営者にとって最も大切な仕事といえます。
「全社員で話し合って、良い理念を考える」
「外部のコピーライター等にお願いして自社にピッタリの理念を出してもらう」
時にどんな中小企業も見受けられますが、これは間違いといえるでしょう。
繰り返しますが、経営理念とは「経営者の頭の中」。
「なぜ自分はこの会社を経営しているのか」
「自分はこの会社をどうしたいのか」
そんな、経営者自身から発する思いを言葉にすべきなのです。
「みんなで決めた」「誰かが決めた」
それでは会社の在り方に〝ブレ〟が生じることは想像がつくでしょう。
経営者の思いを吐露し、それを経営幹部とともに練り上げる。それが経営理念づくりの基本です。
経営者にとって理念づくりが最も大切な仕事なら、では経営幹部にとって最も大切な仕事は何か?
それは「環境づくり」だと思います。
もっと細かく言えば、「仕組みづくり」ということ。
経営理念を体現する人材を育てる、経営理念に従った行動を繰り返してもらう、そしてもちろん、組織としての結果
=会社の業績を挙げる。そのための環境を築くことが経営幹部の役割です。
この役割に着目せずに単に会社の数字だけをなんとかしようとする幹部も、よく見受けられるものです。もちろん会社の数字は大事なことですが、それをつくり出すのも社員一人ひとりの行動。
「望ましい行動を積み重ねるための環境づくり」
経営幹部に求められるのは、これに尽きるでしょう。