こんにちは。石田淳です。
行動科学マネジメントが着目する行動には〝基本のキ〟として2種類の行動があります。
それが「不足行動」と「過剰行動」。
望ましい結果を得るためにもっと増やしたほうがいい行動が不足行動であり、減らすべき行動が過剰行動です。
不足行動を増やす取り組みと、過剰行動を減らす取り組み。
行動科学マネジメントのスキルはこれが基本となります。
当然のことながらビジネスマネジメントの目的は部下に望ましい結果を得てもらうため。
これはセルフマネジメントでも同様です。
「部下にもっとやる気を出してもらえるような〝よく効くセリフ〟ってありませんかね?」
「目標達成のために大事な〝心構え〟ってなんですか?」
そんな質問もよくいただきますが、そうしたものよりも、単純に「どんな行動を、どんな方法で増やすか?」「どんな行動を、どんな方法で減らすか?」を考えるほうが、よほど近道です。
人は十人十色。「こういえば(部下はみんな)喜ぶ」という言葉を考えることは、逆に相手(個人)を尊重していないことになります。
自分自身についても同じで、たとえば目標達成のための心構えはその人の性格によって違ってくるでしょう。
前回のお話でいえば、部下とコミュニケーションを図り、信頼関係を構築するためには相手にとってどんなセリフを言えばいいかより、まずは「声かけ」という行動を増やせばいいということ。
そこにたとえば「相手の立場に立って考える」だとか「喜んで仕事をしてもらうように考える」ということは、関係ありません。
まずはマネジャーの立場にある自分が、増やすべき行動を増やすことが必要なのです。
「アイツのやる気を何とかしよう」
「もっと自分を奮い立たせよう」
そう考える前に「増やすべき行動」「減らすべき行動」に着目してみてください。