こんにちは。石田淳です。
先日、日経ビジネス誌(WEB版)に興味深い記事がありました。
同誌が実施した中小企業に勤務する役職に就いていない正社員20代、30代の男女200人を対象としたアンケートによると、「管理職になりたいか」という問いに対して全体の83%が「いいえ」と回答したというのです。
「出世なんてしたくない」
その理由は大きく分けると
「(出世しても)何もいいことがない」
「(人の)管理が面倒」
「報酬と仕事が見合わない」
ということだといいます。
「部下のすべてが出世したいわけではない」
「むしろ出世することを嫌がっている」
これは何年も前から私も言い続けてきたことです。
経済が低迷し、先行きが不安。仕事で結果を出したからといって、それが昇給に結びつくとも限らない。そして価値観が多様化するなか、「組織内で出世する」ことを望まない人も当然多くなるでしょうし、実際に記事のようにすでにその傾向ははっきりと表われているわけです。
ここでリーダー・マネジャーが着目しなければならないことはもうおわかりでしょう。
そう、「では、相手は何を動機付けとして仕事(行動)をするか」ということです。
昇進というごほうび、昇給というごほうびはもはや若手社員には通用しません。
ならば、若手社員が「何に対して」、つまり「どんな結果が待っていれば」望ましい行動を繰り返し、成果を出すか?
何度もお伝えしていることですが、企業におけるリーダー・マネジャーの役割は、部下に「成果を出させること」に尽きます。
優秀なリーダー・マネジャーは、まず「部下が、どんな動機付けで動くのか」を知っている人でしょう。
もちろんその動機付けとなるものは千差万別、十人十色です。
したがって、メンバー一人ひとりの価値観を知るために、職場でのコミュニケーションが必要なのです。
そのコミュニケーションの姿も働き方の変化により、かつてのようなものは通用しなくなったでしょう。しかし、人間の行動原理は変わりません。
「人は、行動の結果が望ましいものであれば行動を繰り返す」
リーダー・マネジャーが決して忘れてはならない原理です。