こんにちは、石田淳です。
「人生100年時代」といわれている今、人は年齢を重ねても働き続けなければなりません。
そこで、政府が推進を検討しているある教育のかたちがあります。
ただしそこには、大きな問題もあるのですが……。
前回、「『暗黙知』を『形式知』にする」ということについて触れました。
普段、自らの行動について「言語化」を意識しない、あるいは苦手としている
「ハイパフィーマー」たちの行動も、第三者が言語化して他のメンバーに伝えればいい。
この「『暗黙知』を『形式知』にする」という概念
が、教育の場でも注目されています。
「リカレント教育」という言葉をご存じでしょうか?
基礎教育を学び終えて社会に出た後に、仕事に活かすためにまた教育を受ける。
そしてまた仕事をする……という一連の流れのことです。
リカレント教育は「人生100年時代」と言われている今、日本でも政府が積極的に推進を検討しているもので、今後この言葉はさらに一般化してくるでしょう。
このリカレント教育に何が必要か? といえば、それはもちろん「教える人」です。
社会人が「仕事に活かすために受ける教育」ですから、教育の内容も仕事に関するスキルや知識。
「教える人」=教員は、いわゆる「その道のプロ」になります。
このような教員を「実務家教員」と呼びます。
ところが、ここでひとつ問題があります。
それは、「実務家教員」たちが、必ずしも「言語化」の能力を持っているわけではない、ということです。
いかに「その道のプロ」であっても、彼ら彼女らは「人にモノを教えるプロ」ではありません。
そう、
「ハイパフォーマーは言語化が苦手」
「プレイヤーとしてのスキルとマネジャーとしてのスキルはまったくの別物」
といった、ビジネスマネジメントの問題点が、ここにも当てはまるのです。
ではどうすればいいか?
いきなり実務家教員というハイパフォーマーに言語化能力をつけるのではなく、まずはハイパフォーマーの行う「暗黙知」を「形式知」に変える立場の人材を用意すべきでしょう。
つまりそれは、ビジネスでいうマネジャーです。
「言語化できる教員」育成のためには、それを教えられるマネジャーの存在が必要です。
今後私も、この教育界での仕組み作りに積極的に関わっていく予定です。
またいずれこのメルマガで、実際の事例等をお伝えできるかもしれません。
どうぞお楽しみに。