こんにちは、石田淳です。
「まったく最近の若者は……」
という言葉は、いつの時代にもあるものです。
しかし、マネジメントにおいては、そのまま「何を考えているのか?」で済ませておくわけにはいきません。
「別に高い給料が欲しいわけじゃないんです」
これは、私の知る大手企業の若手社員が入社半年で辞職する際にマネジャーに放った言葉です。
「高い給料はいらない?」
これまで「より稼ぐ」ことこそがビジネスパーソンとしての動機付けだった世代には、この言葉は衝撃だったようです。
では、辞めていった若い彼は、
〝何が欲しくて〟仕事をしようとしたのか?
「私はもっとお客さんから〝ありがとう〟と言ってもらえる仕事がしたかったんです」
「もっと社会の役に立ちたかったんです」
それなのにマネジャーが言うことは、いつも「売上」「お金」の話ばかり。
「今月の売上目標は……」
「もっと売上を立てろ」
「目標に達成していないじゃないか」
「がんばれば3年後には給料も○%アップだ」
などと言われ続ける毎日にうんざりしたというわけです。
お客さんからの〝ありがとう〟が欲しかったなんて、〝社会の役に立ちたかった〟
なんて、その若手はずいぶん特殊なんじゃないか?
「売上」と「お金」の話をするのは、ビジネスなんだから当たり前だろう?
そう考える人もいるでしょう。
もちろん、その思いもわかります。
しかし、今のリーダー、マネジャーが知っておかなければならないのは……
「今は、そういう時代じゃない」
ということに他なりません。
「お客さんからの〝ありがとう〟」
が欲しい若者は決して特殊な存在ではないのです。
「お金の話ばかりにうんざりする」のは、多くの若手社員が感じていることなのです。
「部下の動機付けを知る」
つまり、部下が何を〝報酬〟と考えて
仕事をしているか?
その価値観を把握することが、リーダー、マネジャーの仕事です。
「働き方改革」だからと、単に「効率」「生産性」だけを追求しても、
肝心の「働き手」がいなくなってしまっては、元も子もないのです。