モチベーションが低い社員、
仕事がうまくいかない社員、
問題を抱えている社員……。
大雑把な言い方をすれば「できない社員」に対して、
「1対1でじっくり話をするのが一番だ」
と考えているマネジャーは多いでしょう。
たしかに私も1対1のミーティングを推奨しています。
しかし、多くの人が、1対1のミーティングを間違ったやり方で行なっているようです。
たとえばこんな例があります。
「いやあ石田先生、 この間(やる気のない社員と)1対1で話したんですが、
どうやらやる気になってくれたみたいですよ」
そう満足げに話すマネジャーがいました。
社員を成長させ、辞めさせないマネジメントのため、
内面に訴えかけたということでしょうか。
どうやらこの人は、1対1のミーティングの目的を見誤っているようです。
つまりこの人にとってミーティングの目的は
「(社員の)モチベーションを上げる」こと。
では、何をもって「モチベーションが上がった」と
いえるのでしょう?
相手が「はい、やる気になりました」
と言ったから?
声に張りがあったから?
力強い話し方だったから?
……それらはすべて曖昧なものです。
「やる気になったと思ったんだけど、
その後突然会社を辞めちゃったんです」
なんてことは、よくある話です。
1対1で相手を鼓舞するような言葉をかけ、
本人(マネジャー)としては、
やる気を引き出したつもりでしょう。
しかし、相手の「内面」に関することは、
相手にしかわからないものです。
1対1のミーティングの目的は、
相手に「行動のレパートリー」を与えることです。
相手の話を聴き、
どんな行動をすればいいのか? どの行動がしづらいのか?
といったことを計画しなければなりません。
行動が変わらなければ、結果は変わりません。社員を変えたいと思うのであれば、
「内面」ではなく、行動を変えればいいだけなのです。