行動科学マネジメントが最重要視するものは、
「エビデンス」(科学的根拠)です。
数値として計測できるものを計測し、検証する…。
これができないものに重きを置くことはありません。
たとえば「意志」「性格」などは、
計測できないものの代表です。
「彼は意志が強い」
「彼女の性格はこの仕事に向いていない」
そうしたことを判断するうえで、
どのようなことを数値化し、計測できるのか?
何をもって「意志が強い」「性格がいい」とされるのか?
答えは曖昧、人によってさまざまでしょう。
これは再現性のある科学とはいえません。
たとえばスタッフに対して目標や締切を指示する際にも、
必ず数値化したもの、計測可能なものを示さなければなりません。
「もっと売上を伸ばそう」
「もっと効率的に仕事をしよう」
といった言葉でスタッフを鼓舞する現場も多くありますが、
この言葉は「行動科学的には正しくない」ということになります。
「もっと」という言葉は、数値化されていないから、
そして計測できないからです。
売上アップを目指すのであれば、
「前年同月比○%アップ」や、
具体的な売上額を設定すべきですし、
効率化を進めるのであれば、
「○時までに作業終了」というように、
具体的な時間や作業量を示すべきです。
「今月中にアップ」などという指示では、
まだ具体性が足りません。
「○月○日○時までにアップ」
くらいのレベルにまで数値化しなければなりません。
いつ、誰が、誰にやっても同じ結果が出る、
つまり再現性のあるマネジメントは、
「人の内面」という計測できないものへのフォーカスは
NGなのです。