「仕組みづくり」
ビジネスの世界でよく使われる言葉ですよね。
行動科学マネジメントも、
「仕組みづくり」を念頭に置いたマネジメントスキルです。
ただ、私の経験上、
単に「仕組みづくり」と言ったときには、
さまざまな人がさまざまな解釈をしているように思います。
ある企業の経営者は、
「『仕組み』とは、ルールのことですね。
やはりルールに則って仕事をすることが大事ですよね」
といい、
またある企業の人事担当者は、
「『教育プログラム』を用意することが『仕組み』ですね」
といいます。
「仕組み」とは何か?
という定義がビジネス界で厳密に定められていないため、
いずれの解釈も間違いとはいえませんが、
行動科学マネジメントでいう「仕組み」とは、
単に「ルール」や「規則」、
「カリキュラム」や「プログラム」の設定
ということではありません。
ではどういうことかといえば……
それを「一言」でいうのは難しく、
さまざまな要素があってのものなのですが、
あえて一言でまとめると、
「環境」
ということになるでしょう。
どのような環境かといえば、
「社員が自ら行動し、成果を出す環境」
です。
この環境を整えるために
体系立てられたさまざまな施策をすること、
それが行動科学マネジメントのいう「仕組みづくり」です。
マニュアルやチェックリストも、
コミュニケーションの取り方も。
部下育成のプログラムも、
すべては環境を整えるための要素です。
これを勘違いして、
「じゃあ石田さん、さっそく石田さんの『仕組み』
などという企業も実際にありました。
(何らかの〝システム〟
「仕組みづくり」は「環境づくり」
大まかに言ってしまえば、そういうことなのです。