最近スポーツ界で問題となっている、
「体罰」
できない選手、言うとおりにしない選手に
「指導」の名の下に暴力を加える…。
これは行動科学マネジメント的にどうかといえば、
もちろんNGです。
それは倫理的な観点ではなく、科学的な観点から
「やってはいけない」マネジメント手法なのです。
相手を叱責したり、罰を与えたりする、
すなわち「ペナルティ」は、
実は「一瞬」だけ効果があります。
ペナルティの直後は、相手は
マネジメントする側が望む行動を取る、
あるいは望まない行動を取りません。
しかし、それは決して長続きするものではなく
あくまでも「一瞬だけ」です。
たとえばセーフティマネジメントの目的は
「安全行動」を「習慣化」することですから、
「一瞬だけ」安全行動を取る、
あるいは「一瞬だけ」危険行動を取らない、では、
意味がないのです。
ペナルティによる行動は、
当然「(次のペナルティが嫌で)しかたなくやる」
というもの。
この「しかたなくやる」行動、
「やらされてやる」行動が長続きしないということは、
行動科学のデータで証明されています。
では、どのような行動が長続きする、習慣化するかといえば、
それは「自発的行動」、つまり「やりたくてやる」行動です。
人は自分の行動を「認められる」と、
その行動を「取りたくなる」。
これも科学的に証明されていることです。
ですから、マネジャーは
相手が「望ましくない行動」を取ったときに罰を与えるよりも、
「望ましい行動」を取ったときに認め、称賛することを
重視すべきなのです。